北米留学上級技術マニュアル - 背景イメージについて
ご覧の通り、背景写真は田園の雪景色です。「留学マニュアル」にしてはずいぶん寒々しいイメージを選んだと驚かれたかもしれませんが、この写真を一目見たとたんに、私が博士課程時代を過ごした(1986〜1991年)イリノイ州シャンペーン郡の真冬の記憶がよみがえり、「これしかない」と即決してしまいました。
冬の同地では、大学街から車で10分も走ればこういう静寂な銀世界が広がっていました。(もっとも、中部イリノイの大地は丘らしい丘すらない真っ平らなのにくらべ、この写真では遠景に山が見えている点が少し異なります。)
厳冬↑
真冬の中部イリノイでは、摂氏零下20度を切ることが珍しくありません。そんな酷寒の日は大気がほとんど水分を蓄えられないため雲一つない快晴で、日中はみごとな蒼空が天球を覆っています。上空に雲がないから夜間に地熱がどんどん放射され、気温はますます下がる一方です。シャンペーン郡は北米大陸の内陸部にありますが、北極圏からカナダを縦断しミシガン湖を渡って吹き寄せる寒風が止むことはなく、体感温度をさらに押し下げます。反面、雪は積もってもせいぜいクロスカントリーができる程度で、大人の身長を越えるような積雪になることはありません。
春↑
氷点下があたりまえという毎日が4月の初旬まで続いたあと、根雪が残る四囲の草木がにわかに白や黄色の美しい花を咲かせ、2週間あまりの短い春が訪れます。
夏↑
そして4月の下旬には新緑がまぶしい初夏の到来です。竜巻警報のサイレンが鳴るたびに避難所に飛び込むのも夏の恒例行事です。中部イリノイの盛夏は熱風が吹き荒れ気温が摂氏40度以上に達することも珍しくありませんが、そんな暑さのなか突然空から降り来った雹が屋根や窓ガラスをばらばらと叩き、数時間後には零度近くにまで冷え込むのもこの地ならではの砂漠性気候の成せるわざといえます。
秋↑
3ヶ月にも及ぶ夏休みが終わって新学期がはじまる8月下旬はまだ暑さが衰えず、9月の上旬になっても半袖の方がしのぎやすい毎日です。木々が色めくのは9月の下旬あたりからで、そのあと約3週間にわたり、息を呑むような色鮮やかな紅葉の秋がやってきます。
再び、冬↑
枯葉が散り10 月末のハロウィーンのころには既に初冬の風情。特に11月下旬の感謝祭が過ぎると本格的な寒さが訪れます。12月には日中の気温が零度を切り、日本の本州以南ではまず経験できないような大陸の冬がほぼ半年間続きます。
こんな青春もある↑
こういう苛烈な環境の中、大学院生達は授業時間外も朝から晩まで図書館や学生寮で文献を読んだり研究室で実験をしたりラウンジやコーヒーショップで議論を交わしたり、時には体育館で汗を流したりしているわけです。「お手軽に学位だけとってさっさと日本に帰りたい」という方には一番向かない土地といえましょう。
自ら進んでそんな環境に身を置き何年間にもわたって研学に励んでいる若者達がいるということを、この写真を見ながら思い浮かべてみていただけるでしょうか。
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