北米留学上級技術マニュアル - 生活の基盤を築く
目次
- Social Security Numberをもらう
- 運転免許/身分証明書
- 銀行口座
- クレジットカード
- テレフォン・カード
- 携帯電話
- ファックス
- 自転車
- オートロック対策
- 住所ラベルを作る
- 大型のバッグを常備
- スペース節約法
- 学生寮の研究
- 学生食堂の研究
- 掛け布団
- 風邪を引く前に
- 衣類はノーアイロン
- パジャマは必要か
- 洗濯時間の節約法
- ジーンズも衣替え
- 乾燥機は必要か
- 衣類はどのぐらい必要か
- 乾燥対策
- 強日照地対策
- 寒冷地対策
- 日本人とどうつきあうか
- コンピューター、買うべきか?
- スケジュール管理
- 最寄りの日本領事館に居所を知らせる
- Immigration Officeの恐怖
- 法律沙汰に巻き込まれたら
- たまには正装を
- 好みの勉強場所を見つける
北米での生活の詳細についてはそれだけで解説書も出ているので(例えば 『アメリカ生活で困らないための本:暮らしの知恵Q&A』ジャパン・タイムス )、そちらもあわせてご参照いただきたい。北米現地情報のサイトもご参考になろう。ここでは、特に学生にとって重要性の高い事柄に焦点をあててご紹介する。
Social Security Numberをもらう↑
アメリカ人は皆、Social Security Numberという9桁の数字を割り振られている。カナダにも同様の番号制度がある。所得税還付の申告をしたり運転免許を取ったりする際には必須の数字で、これをもとに連邦政府の各種のデータベースも構築されているらしい。
外国人でも、現地に長期に滞在するからにはこの番号をもらっておいた方が何かと便利である。現地についたら、すぐにもらいにいかれたい(申込から交付まで、数週間かかる)。申請先の場所や必要な準備書類は、外国人学生事務局で教えてくれるはずである。
なお、Social Security Numberは一応プライバシーの一部ということになっているから、不用意に他人の番号を聞き出そうなどとすると、いらざるトラブルを招く(カナダは、アメリカよりもさらにこの点が厳しい)。
運転免許/身分証明書↑
車を買うつもりなら、当然現地の免許をとるべきである。日本の免許や国際免許で運転していると、保険料が高い。たとえ当面は車を使わない方針でも、やはり免許はとっておいた方が便利である。というのは、小切手を切ったりする場合、しばしば身分証明書として免許証の提示を求められるからである。(ただし、免許を持っていない人の為に、州がIDカードを発行してくれる制度もある。申請場所は、たいてい免許証と同じ所。)
また、何年か後で車を買う方針なら、免許だけでも早くとっておくとその後の期間が「無違反、無事故」期とみなされて、保険料が減額される。(日本で長年運転していても、その期間は算入してくれない保険会社が多いが、保険契約の際は、一応日本での運転歴を証明する書類を持参なさるとよかろう。)
右ハンドルと左ハンドルでは勝手が違うので実技試験を受ける前に練習したいが初心者にまじって自動車学校に通いなおすのはばかばかしい、という場合、経験者対象に短時間の路上実技復習講座をやってくれる業者があるから調べてみるとよい。(車は先方が用意してくれる。)練習したその足で試験場に向かい、その同じ車を使って試験を受けさせてもらえることもある。こういうコースのインストラクターは実技試験の落し穴をよく知っているから、そういう情報を仕入れる意味でも有益である。
国際免許証は外国滞在中でもとれる↑
アメリカで免許をとった後で南米旅行に出かけることになり、念のために国際免許証をもっていきたい、というのなら今度はアメリカでの免許を基礎に同地で国際免許を取得することが可能である。アメリカでとった国際免許もやはり有効期間は1年で、アメリカ国内では使えない。必要書類や免許証の体裁も日本でくれるものと酷似しているが、州の免許を発行するDepartment of Motor Vehiclesではなく、それとは別の機関(例えば自動車保険を扱うAAA)が国際免許発行事務をとりしきっているところが日本と大きく異なる。
銀行口座↑
手元の現金やtraveller's checkをいつまでもそのままにしておくわけにはいかない。銀行に行って口座を開かれたい。大学または自宅の近辺に支店のある銀行を選ぶと便利だろう。Federal Deposit Insurance Corporation (FDIC)という、政府が元金を保証(10万ドルまで)してくれるシステムに加入している銀行を選ぶことをお勧めする。大学の先生や先輩、secretaryにも、どの銀行がいいか意見を聞いてみるといい。銀行や支店によって、行員の接客態度の善し悪しなどの点では随分ひらきがあることが珍しくない。また、どうせなら、インターネットで口座にアクセスできる銀行の方が何かと便利である。Macintoshユーザーの方は、銀行のオンラインシステムがマックに対応していることを確認しておかれた方がよかろう。
なお、アメリカの独占禁止法は州をまたがるような大銀行の活動を厳しく制限しているので、おのずと「地方銀行」のお世話にならざるをえないことが多い。当然、州外から来た人間は勝手がわからず戸惑うことになる。
銀行に口座を開く際には、現住所を確認するような書類の提示を求められることがある。賃貸契約書などの他、自宅あてにきた手紙などを持って行くと話が早い。(誰か知人に頼んで地元から投函してもらえば、1〜2日で到着する。)
預金の種類だが、いろいろな支払に小切手は不可欠なので、Checking accountを開く必要がある。Checking accountの利率がよければそれひとつですんでしまうが、中にはChecking accountには利息がつかなかったり、ついても非常に低率である銀行もある。そういう場合には、利息のいいSaving accountに持ち金の多くをあずけ、必要なだけChecking accountに随時移して資金の有効運用をはかりたい。こういう資産管理もインターネットで可能な場合が多く、わざわざ銀行まで足を運ぶ必要がなくなった。
現金出納機(ATM)のカードは必ずもらっておかれたい。夜中に現金が必要になった時など、重宝する。(アメリカでは、現金出納機は年中24時間オープンが普通。)
クレジットカード↑
定収入のない学生にはなかなかクレジットカードを発行してくれないが、大学のteaching assistant や research assistantの職が得られればパートタイムとはいえ大学職員だから、職員組合を通じてカードを申請することができる。もっとも、所得に応じて使える金額が制限されているが、学会にいく飛行機代ぐらいはカードで払えるから取得しておいて損はない。
テレフォン・カード↑
旅先から長距離電話をかける場合など、是非テレフォン・カードがほしくなるものである。他のお宅の受話器をかりて長距離電話をかけたい時もカードを使えば気がねしなくてすむ。北米のテレフォン・カードは、日本式のプリペイドではなく、後払いのクレジット・カード方式が広くいきわたっている。通話料の総額にあらかじめ決まった制限がないし、料金もうちからかけるのと大差ないからこの方が便利であるが、学生が手に入れようとすると、結構大変なことがある。
読者がアパートや一軒家に住んでいて自分名義の電話番号があるなら、その番号と連動したテレフォン・カードを手にいれることができる。しかし、学生寮に住んでいると、たとえ自室に電話があっても名義は大学になっているので、それはテレフォン・カード申し込みの基礎として使えない。筆者がMCIに申し込んだ時は、これが理由で断わられてしまった。自宅の電話番号と連動しないカードもあるが、これはある程度の定収入がないと、なかなか交付してくれない。
最後に筆者が発見したのは、航空会社のFrequent Flyer's Clubと連携したテレフォン・カードがあるということである。結局、まずノースウエスト航空のFrequent Flyer's Clubに入会し、その後航空会社が送ってきた申込書に記入してMCIのカードを申し込んだらあっけないぐらい簡単に交付してくれた。同様に、Sprintなど他の長距離電話会社もそれぞれ特定の航空会社と提携している。何はともあれ、Frequent Flyer's Clubにはひととおり全部はいっておいてもいいぐらいだと思う。(北米の航空会社ではほとんどの場合、加入はタダである。入会したからといって、その会社の飛行機に乗る義務などはもちろんない。)空港に行くついでがあれば、各社のカウンターを回って申込書をかき集めてくるとよい。
もっとも、携帯電話を持っていればこんな苦労もしなくてすむわけだが、通話料が割高だし使えない場所もあるので、やはりテレフォンカードも取っておくにこしたことはない。テレフォンカードを使えば、全米どこの電話からでも(飛行機の中からでも)電話をかけることが可能である。(ただし機中電話は当然ながら、非常に高い。)他家を訪れている時でも、自分のカードを使えば気がねなしに受話器をかりて長距離電話がかけられる。
携帯電話↑
(執筆者募集中)
ファックス↑
日本の家族と緊急に連絡をとる場合など、やはりファックスがあると非常に便利である。夜間に送信すれば、郵便料金とほとんどかわらないか、場合によってはファックスの送信料の方が安い場合すらある。
自転車↑
筆者は在米期間中ずっと、通学手段として自転車を使っていた。大学街の自転車屋は中古の自転車を整備して売りに出しており、100ドル前後でドロップハンドルの10段変則車が手に入った。毎月バスの定期代をはらうより安いし自分のペースで動き回れるので、いたく気にいっていたのであった。学生寮に住んでいたころは戸外に駐車していたので(寮の部屋は狭くて自転車を置く場所もない)冬の間に錆だらけになってしまったが、春になって自転車屋にもっていくと数十ドルでtune-upしてまた走れるようにしてくれる。
ただし、自転車道がないと車道を走ることになるので(アメリカの道路交通法では、自転車が歩道に乗り入れてはいけない)、日没後運転する時はかならず前後両方に照明灯を装着されたい。日本と同様、無灯火走行は交通法規違反である。防犯錠も頑丈なものを買っておいた方がよかろう。ワイヤぐらいは、簡単に切られてしまう。
なお、道路状況が悪く起伏の激しい土地では、マウンテンバイクの方が便利かもしれない。逆に平坦な土地なら、最近リバイバルのスクーターでもよかろう。これなら折り畳んで教室に持って入ったり自室に保管したりできるのも好都合である。
いずれにせよ、ヘルメットを買って常時着用した方が安全なことはいうまでもない。
最後に、アメリカのガソリンスタンドでは自転車やオートバイ用の空気入れポンプをただで使わせてくれることが多い。もちろんモーターつきの強力ポンプなので、たちまちタイアをパンパンにすることができる。5分でも時間を節約したい方は、有効利用しよう。
オートロック対策↑
北米では日本以上にオートロックが普及している。部屋の中に鍵をおいたままで外出してしまい閉め出される、という失敗を多くの人が経験している。かくいう筆者も、寮の部屋の中に鍵を置き忘れてしまいやむなく屋根づたいに窓から侵入するなど悲惨な体験を何度かしている。
これを防ぐ窮極の対策はもちろん「常に鍵を身につけておく」ことであるが、これが言うは易くしてなかなか実行できない。あれこれ試してみた結果、ガードマンが持っているような長い鎖つきのキーホルダーを購入し衣服(たとえばベルトを通す輪)に装着しておくとよいことに気づいた。「長い鎖」という条件をつけたのは、鎖が充分に長ければ鎖を身につけたままで鍵を使って解錠ができ、置き忘れを防止できるからである。なお、持ち歩く鍵が多いとその重さでそのうちにポケットが破れてしまう。ポケットに当て布をするのが面倒ならば、ポケットの底に柔らかくて丈夫なクッション(たとえばハンカチや皮製の小銭入れ)を入れておくのが手っ取り早い。古くなった小銭入れをリサイクルすれば、わざわざ新品を買わなくて済む。
また、外出する時にこのキーホルダーを置き忘れないようにするには、部屋にもどったらキーホルダーをドアのノブにぶらさげておくとよい。ノブを回して外に出ようとする時にいやでも目につくから、忘れる心配がない。もっとも外に通じるドアが二つ以上あるアパートや家では、別の対策が必要だろう。
住所ラベルを作る↑
コピー店に行くと、return address(自宅住所)を印刷したラベルの束を作ってくれる。大量に作るほど割安である。手紙一通ぐらいなら手書きにしても大差はないようだが、これがたまりたまると大幅な時間の節約になるので、住所が決まったら早速ラベルを作っておかれることをお勧めする。筆者は在米中Amnesty International の活動なども含めて毎月20通近く手紙を出していた時期があったので、この住所ラベルのおかげで大助かりした。
なお、少し機能豊富なワープロソフトなら住所ラベル印刷機能がついていることが多い。これとレーザープリンターさえあれば、文房具店でラベル印刷用の専用紙を購入し自分でラベルを作ることも可能である。(インクジェットプリンターでもほとんどにじまないものが出ているので、購入前に確認しておくといい。)因みにアメリカの住所ラベルの市場ではAveryという会社のシェアが高く、ワープロソフトの中にはAveryのラベルの商品番号を入力するだけで自動的に印刷仕様を調整してくれるものもある(たとえば、WordPerfect)。
大型のバッグを常備↑
アパートに入居して自炊するつもりなら、スーパーマーケットに頻繁に足を運ぶことになる。一度にかなりの量を買い込むのがアメリカ流だから、どうやって持ち運ぶかが問題になる。レジで一々プラスチックのバッグに詰め、帰宅してから再びとりだすのも面倒だし資源の無駄使いでもある。こういう時のために大型のバッグを準備しておくと、結構な時間の節約になる。
寮住まいで自炊をしない方も、新学期にそなえて教科書を買い求める時などまとめて購入するとかなりの量になるので、こういう大型のかばんを一つは備えておいた方が便利だろう。いずれにせよ、なるべく幅広なバッグの方が出し入れしやすくて買い物には便利である。スーパーマーケットにおいてある買い物かごの中に広げてそっくりふちまで覆えるぐらいのサイズがちょうどよいだろう。
スペース節約法↑
学生一人で一軒家を借りる人も少ないであろう。狭い部屋に住んでいると、家財道具をどう少なくおさえるかで頭を痛める。やたら荷物をふやすと、置き場所がなくなって人間の居住スペースに食い込んでくるし、引っ越しの際に苦労することになる。狭い寮住まいならなおさらである。
書籍文献収納法↑
特に人文系の分野で勉強を続けると、本やコピーがどんどんたまってくる。これは「商売道具」だからうかつに捨てるわけにもいかないが、せめてコピーをとる時は両面コピーにすることをお勧めする。これだけで紙の量が半分に抑えられ、ささやかながら環境保護にも協力できる。1〜2本の論文なら大した差もないように見えるが、これが何百本とたまると、収納スペースの大幅な節限になる。(縮小コピーという手もあるが、あまり字を小さくすると目に悪い。)自分の授業で読ませる雑誌論文のコピーを、所定のコピー店に買いにいかせる先生が多いが、こんな時は店頭で「両面コピーにしてくれ。」と頼んでみてもよかろう。(駄目でもともとである。)
百科事典や大型の辞書などは、CD-ROM版を使うのもスペース節約になるであろう。以前よく使われていた「電子ブック」をお持ちなら、パソコンのCD-ROM playerで読むマック用のソフト(syokendai)もただでダウンロードできるから、『広辞苑』などは電子ブック版を買って持って行ってもいい。しかし、頻繁に使う参考文献が全部コンピューターを通さないと見られないのは、結構億劫なものである。また、最近のコンピューターのCDドライブにはフロントローディング方式のため電子ブックサイズを受け付けないものもあるので注意。
勉強に直接関係のない日本語の娯楽書をもっていきたいなら、『新潮社の100冊』CD-ROM一枚で当分暇がつぶせる。(PC/マックとも可。)
娯楽書の類は、読み終わったら思いきりよく友人にあげるか、図書館の日本書籍コーナーや地元の日本人会に寄付するのも手であろう。
筆者は論文や自作教材のファイルをA4寸(Letter and Legal size)の引越し用ダンボール箱(アメリカのOffice Depotで買った)にそのまま収納している。これだと蓋付きだからいざというときは積み重ねることができるし、引越しの時もほとんどそのまま搬出できる。
衣類収納法↑
衣類は、重くはなくても嵩高いので収納に苦労する。ダウンジャケットなどの冬服はシーズンの終わりにクリーニングに出した後で真空収納袋に入れて保管するとかなりスペースが節約できる。しかし、年中お世話になるTシャツなどではこうはいかない。洗濯が終わった後一々たたんで収納していたのでは、瞬く間に引き出しが一杯になってしまう。
そこで筆者が励行していたのは、洗濯した衣類はすぐにハンガーにかけて部屋干しし、乾いたらそのままクローゼット(押し入れ)のパイプにかけて収納する方法である。(乾燥機の中は大腸菌が凄いという噂を聞いていたので使わなかった。)引き出しに入れるのと違って一目で服を見渡して選べるし、手間も省ける。
ここで大切なのは、収納力をあげるためになるべく細身のハンガーを使うこと。とはいってもスーツなどはまともなハンガーを使わないと型崩れしてしまうが、Tシャツやワイシャツの類はクリーニング屋でくれる針金のハンガーで充分である。なお、スラックスやジーンズは二つおりにしてかけるよりも裾から逆さに吊るした方が手間が省け、横皺も入らなくて好都合だ。(洋式のクローゼットは普通、スラックスを折らずに吊るせるぐらいの高さはある。)スラックス専用のハンガーもあるが、頑丈な針金ハンガーに洗濯バサミでズボンを吊るした方が余計なスペースが取られず、実用上も充分である。そうやって吊るしておくとズボンの自重により皺もある程度とれる。
学生寮の研究↑
試供品セット↑
筆者がイリノイ大学の学生寮に入居していた時は、新学年度がはじまるごとにシェービングクリーム、ひげそり、歯磨きなどが詰まった試供品セットを配ってくれた。(女性用のセットもあるそうである。)結構ありがたいものなので、もらえるものなら有効利用しよう。
脱出経路の確認↑
例え一泊するだけのホテルでもチェックインしたらすぐに緊急脱出経路を確認しておきたいものだ。ましてや長期に渡って住むつもりならなおさらである。屋内が煙で充満してしまうと非常灯もほとんど見えないので、目を閉じたままで迷わず非常口にたどりつけるぐらい位置関係を頭にたたきこんでおいた方が安全である。
できれば実際にその経路を辿って非常口をくぐり、外部に脱出してみよう。欧米では、非常口のドアがオートロックになっている建物が多い。一旦非常ドアをくぐり非常階段に出てからドアを閉じてしまうと、外から再度非常ドアを開けて屋内にもどることはできないのである。(防犯のためと思われる。)そうなったら、最下階まで歩いて降りてそこから地表に出るしかない。「ちょっと様子をみるだけだから」とうっかり裸足で非常階段に入ったりせず、足下をかためてから探検に出かけよう。
なお、万が一非常階段内に閉じ込められたり事故にあった場合に備え、あらかじめ知人に自分の所在を知らせておいた方が安心である。携帯電話を持って出るなら、寮の管理人の電話番号を忘れずに。
一番いい部屋を探す↑
もし学生寮が気にいってしまって居着くことに決めたなら、間取り、日当り、風通し、景観、安全、静かさ、出入りと荷物の搬入/搬出の便利さ、洗濯室や食堂・台所への距離などを総合して寮の中でどの部屋が一番いいか、一年目の間にじっくり研究しておかれることをお勧めする。というのは、二年目の契約更新をする際、先年度から引き続き寮に居残る学生の入室希望を優先的にきいてくれるのが慣行であり、「一番いい部屋」を手に入れるチャンスがめぐってくるからである。契約更新の手順と申し込み開始日もしっかり予習しておこう。
もっとも、自分が「一番いい部屋」として狙っていた部屋の住人が翌年も動かなかったり、お目当ての部屋が他の学生にとられてしまうこともあるので、「本命」だけでなく、第二候補、第三候補…と代案も準備しておく方が無難である。
半地下室↑
北米圏の学生寮やアパートには半地下室、つまり窓がちょうど地表の高さにある部屋がよくある。日本人の感覚だとそういう部屋は湿気が多くて不衛生のような気がするが、筆者がイリノイ大学に移った最初の2年間、学生寮の北向きの半地下室に住んでみた限りではそういうことは感じなかった。ものは考えようで、火事になったら真っ先に窓から逃げられるともいえる。しかし逆に言えば、窓ガラスを割られたら簡単に侵入できてしまうのも事実である。(かといって、高層だから安全とも限らないが。)
そのころ、筆者の隣の部屋の住人は、夜な夜な窓の外に餌を置いて狸を餌付けしていたそうである。これも半地下室ならではの楽しみであろう。(日本の狐に恩を売っておくとひょっとしたら美男美女に化けて訪ねて来てくれるかもしれないが、アメリカの狸では期待できないとのこと。)
学生食堂の研究↑
学生寮に住んでいると自炊設備が整っていないので、自ずと付設の食堂で食事をすることが多くなる。(寮に住んでいなくてもクーポンを買って食堂で食べることはできるのだが、アパート暮らしなら自炊した方が経済的である。)
さて、朝・昼・夕の三食とも寮で食べるような契約が一食あたりの値段は一番安くなるが、昼間は授業の合間にわざわざ寮のそばの食堂まで戻るのが面倒なこともある。こういう場合、もし学内に複数ある食堂のどれで食べてもいいという契約になっているのなら、教室に一番近い寮を探してそこで食べるのが時間の経済である。また、朝食を食べた際にサンドイッチなどを作りランチとして持ち出すことが可能な場合があるから、規則を調べてみるとよろしかろう。
掛け布団↑
北米では日本風の掛け布団はなかなか手に入らないが、毛布だけでは肌寒く感じることもある。そこで、一工夫。寝袋の中にはジッパーを外すと一枚の厚いカーペットのようになるものがある(「封筒型」寝袋)。これを重ねれば掛け布団の代用になる。冬山用の寝袋ならかなり分厚く暖かい。これならキャンプに出掛けた時などにも使えるので一石二鳥である。車で旅行する時にも安モーテルのベッドにそのまま寝る気にならなければ、寝袋にくるまるという奥の手が使える。
風邪を引く前に↑
一学期が10週間ないし15週間という短期決戦の北米では、学期中に一週間風邪をひいて勉強が満足にできないだけでかなりのダメージになる。ましてやそれが追い込みの時期ともなれば最悪である。病気になってはじめて実感する健康のありがたさ。
ところが、北米大陸は概して日本よりもずっと乾燥しているので、風邪をひきやすくなる。特に学生寮に住んでいると、流行シーズンは食堂でもロビーでも空気中やドアノブ、テーブルなど至る所に菌やウイルスがうようよしていると思った方がよい。
対策としてはまず、部屋にもどったらこまめに手洗いとうがいを欠かさないことである。いちいち石鹸をつけて洗うのは面倒で、ついさぼりたくなりがちだ。液状の殺菌石鹸をポンプ式の容器に入れて使うなどして少しでも手間を省くことを考えよう。手洗いとうがいにもちゃんとしたお作法があるので、次のようなページをみて勉強しておこう。
http://www20.atwiki.jp/makiokahp/pages/5.html
http://homepage2.nifty.com/r2o/ugai.html
また、汚れた手で不用意に鼻や口に触らないだけで、風邪の感染はかなり防げる。(インフルエンザは飛沫感染するが、風邪は接触感染のみ。)
衣類はノーアイロン↑
アイロンをかける時間がもったいない。スラックスやワイシャツは極力ノーアイロン製品を揃えよう。形状記憶加工がしてあればさらに便利である。ジーンズとTシャツで過ごせるなら、それが一番時間の節約になる。
パジャマは必要か↑
筆者は留学期間中を通じてパジャマを使わず、Tシャツを来て寝床に入っていた。アメリカの学生寮では冬でも汗をかくぐらい暖房を利かせているから、これで充分のように思う。むしろ、暖房が切れたあと急に寒気が戻った時など肌寒く感じることがあったが、そういう時は一枚余分に掛け毛布を使って対応していた。
洗濯時間の節約法↑
アメリカの低価格の衣料品は染色がいい加減なので、色物を買ったら最初は色落ちを覚悟しておいた方がいい。それを白物といっしょに温湯で洗ったらたちまち色が移ってしまう。できれば白物と色物は別々に、それぞれの最適水温で洗った方がよかろう。
そうなるとあらかじめ白物と色物を別のバッグにでも分けて入れてランドリーに持ち込み、いっぺんに二台の洗濯機で洗った方が効率がいい。着終わって脱いだ下着やTシャツは白物用のバッグと色物用のバッグに分別して入れるよう習慣づけると、洗濯の前後に要する時間を最小限におさえることができる。
いずれにせよ、洗濯物を投入してから洗い終わるまで少なくとも20分ぐらいは待つ必要がある。自室がランドリーから近ければ一度部屋に戻ってもよいが、遠く離れているようだとそれも億劫である。ラウンジで待つつもりならあらかじめ雑誌やiPodなどで暇つぶしできるよう準備していこう。
ジーンズも衣替え↑
ジーンズといってもごわごわした分厚い生地のものばかりではない。夏用の、薄い生地のものも探せば手に入る。季節に応じて最適なものを使い分けるのが、一年を通じて快適な生活を送る秘訣である。
乾燥機は必要か↑
留学中は、寮の洗濯機で衣類を洗ったあと乾燥機を使わず自室で干していた。お金と時間の節約ということもあったが、寮の乾燥機の中は大腸菌がうようよしているという噂が気になってなるべく使いたくなかったのである。
その結果であるが、夏は熱気で、冬は暖房ですぐに乾いたから部屋干しで充分であった。春先や秋口はすこし乾きが遅いときもあったが、それでも丸一日もぶら下げておけばまず大丈夫である。
ただしあまり一度にたくさんの洗濯物を干そうとすると風が通るスペースを確保できないので、なかなか乾かないことになる。洗濯物はあまり溜め込まず、こまめに洗った方がよかろう。
もっともこういうことは地域差が大きいので、現地についたらいろいろ実験してみられるとよろしかろう。
衣類はどのぐらい必要か↑
衣類を含め荷物は少しでも少ない方が身軽なのは当然だが、少ない衣類を使い回すと頻繁にランドリーに行かねばならず、時間がもったいない。特に学期中のウイークデーは洗濯する時間も惜しまねばならないから、週末から次の週末まで保つ程度の衣類は備えておきたい。そうなると、靴下や下着のように毎日交換するものは洗ってから乾燥するまでにかかる期間も見込んで、せめて10組程度は備えておくのが勝利への道だろう。
乾燥対策↑
概していえば、北米大陸は日本よりも空気が乾燥している。そのため、日本では必要のなかった配慮も必要になる。
リップクリーム↑
唇が乾いたままにしておくとそのうちひび割れてしまい、不快なものである。リップクリームをこまめに塗るのがとりあえずできる対策だろう。
鼻糞対策↑
汚い話で恐縮だが、乾燥地では鼻糞もたまりやすい。外から見ていると不細工なので、お手入れしておくにこしたことはない。テッシュペーパーでほじっていると鼻の穴が広がってしまうとご心配なら、洗浄剤を使うなど対策を考えよう。
強日照地対策↑
日焼け止めクリーム↑
ハワイなど日照が強烈な土地についたら、さっそく日焼け止めクリームを手に入れ入念に塗ってから戸外に出かけることにしよう。夏のテキサスやフロリダも然り。特にハワイは風が涼しいので「たいしたことない」と思ってしまいがちだが、そうやって30分も背中に昼間の日光を浴びると慣れない人はたちまち一面に水ぶくれができてしまう。
日差しの強い部屋に当たったら↑
運悪く暑いさなかに日差しがまぶしい部屋に入れられてしまい部屋は蒸し風呂状態、エアコンもなく、部屋の変更もままならないという方へ。応急策として、アルミホイールを両面テープで窓に貼り付ければ日差しを反射してくれるのでかなり涼しくなる。向かい側の住人から「まぶしい」と文句が出た場合は、かわりに白い紙をはりつけるだけでも何もしないよりはマシである。
寒冷地対策↑
北海道出身の方を除き、零下数十度での生活を経験したことがないほとんどの日本人にとっては、北米の寒冷地帯の冬の生活は想像を絶する世界である。筆者のイリノイでの経験からいって、零下10度(摂氏)までならしかるべき防寒具さえ身につけていれば相当の長時間にわたり戸外での活動が可能である。しかし、零下20度となると戸外で寒気に身をさらすのは通勤や通学などの必要最低限にとどめ、ひたすら屋内で暖をとる他ない。零下30〜40度ともなると暴風雨の襲来と同じく、戸外に出るのは危険この上ない…などと軟弱なことを言っているから、ミネソタやウィスコンシンで鍛えた人に「イリノイみたいな暖かい所にいるとスポイルされる」などと笑われるのである。
とにかく、こういう生活を一冬経験すると、たまに気温が零度近くなると何やらぽかぽかと暖かく感じられ、ついあたりを散歩したくなってしまう。これが摂氏5度にもなると蒸し暑くて(溶けた氷の一部が蒸発するので湿度が上がるのである)気分が悪くなってしまう。
防寒具(男女共通編)↑
手袋↑
寒冷地では手袋が必需品だが、微寒用、厳寒用など、3〜4種類厚さの違うものをそろえておいた方が便利である。少し肌寒いという程度なら、スーパーマーケットで1〜2ドルで売っている布製の
- workglove(「軍手」)
でも間に合う。
手袋をはめたままで靴紐を結んだりメモをとったり小銭を取り出したりしないといけないなら、ストッキングのような材質の超薄型手袋が便利である(素肌に近い感覚でかなり細かい作業ができる)。筆者は三宝商事発売の
- 「テンスター新感覚手袋243」(繊維は旭化成製、am/pmで購入)
を愛用している。こういう軽薄短小製品は北米では入手しにくいので、日本からまとめて持参した方がよかろう。
気温が摂氏零度に近づいたり風が強かったりするとこれでは間に合わないので、風を遮断できるよう皮か合繊の手袋をはめた方がいい。摂氏マイナス5度を切ったら
- thinsulate
という防寒加工をした手袋が暖かくてよい。(おおきいものになるとまるで野球のグラブのようだが、その分あたたかい。)
これでもまだ寒いというなら、前述した超薄型手袋の上に厚手の手袋を重ねるというのはいかがであろうか?(言ってみれば、手袋の「下着」である。)
ブーツ↑
寒冷地でしかも雪がつもるような土地では、ブーツも必需品だろう。ただしブーツの中は湿気がこもって蒸れるので、暖かい室内で履いていると苦痛になってくる。編み上げタイプのブーツは格好はいいが着脱が一苦労である。なるべく着脱の容易なものの方が便利であるし、携帯用のスリッパを持参して屋内ではきかえるようにすれば足が楽なことは確かである。
編み上げブーツの紐をひっかける金具の先が反り返っているものは、そこに反対側の足の靴紐がひっかかって足元がもつれることがある。階段の昇り降りでは、特にご注意を。(ズボンの裾先をブーツの外に出しておくと金具が露出しないので安全である。裾広がりのジーパンなどがぴったりだろう。ただしこういう格好で雪道を歩くと裾に汚れがつきやすいのは致し方ない。)
すきま風対策↑
いくら厚着をしても、襟、袖、裾などから寒気が入り込んでくると冷える一方である。服を袋に見立てると、その中に暖気を閉じ込めて逃さないようにするのが戸外での防寒の鉄則である。
もちろん、首筋から寒気が入り込むのを防ぐためにマフラーは必需品である。(防寒目的なら、ファッション性は無視して首の周りにマフラーをぐるぐる巻き、その上から上着を着た方が気密性が高まる。)寒冷地で売っているカジュアルなジャンパーなら袖にゴムが入っていて寒気の侵入を防ぐ構造のものが多いが、もしゴムが緩んでしまったりもともとゴムが入っていなかったりしたら、何とか対策を考えたい。筆者は自転車走行時にズボンがチェーンに巻き込まれるのを防ぐために裾に巻くゴムバンドを転用していたことがある。(片手で装着しないといけないので、ちょっとコツが要る。)同じようにズボンの裾も括っておけば脚はかなり暖かくなるがファッション性には欠けるので、どちらを犠牲にするかは御自分で御判断ください。
最近では、冬期の外出時にはレッグウォーマーを足首のみならず手首にも装着している。これだけで袖口からの寒気の侵入がかなり防げる。さらに、首筋と手首と足首は動脈が体表の近くを流れている(だから脈がとれる)場所だから、ここを暖かくしておかないと体熱がどんどん奪われてしまう。
下に示すのは少し高い商品だが、薬局などにいけばもっと安いものも売っている。手首につけるものはあまり厚手だと動きにくいので、少し薄手の方が運動性はいいように思う。
また、空気のとおりを悪くすると体臭も内にこもり衣服にしみついてしまう。このマニュアルを読んでいる方の多くはまだ加齢臭を気にするような年齢ではないと思うが、若い人でも汗や皮脂を細菌が分解すれば臭いが生じる。周囲に不快な思いをさせないよう配慮したい。
頭部の防寒↑
頭や顔まで寒いというなら、帽子や耳あても手に入れておくとよかろう。ジャケットの背面からフード(頭巾)が引き出せる構造のものもあるが、首を左右に回した時の視界が悪くなるので、特に運転時などにはお勧めできない。目鼻口だけを出してあとはすっぽり顔全体をおおってしまう袋状のマスクもあるが、これをつけると銀行強盗のような風体になってしまうのは避けられない。
http://tenant.depart.livedoor.com/t/ebestore/item2416141.html
発熱カイロ↑
カイロの難は寒い戸外から暖かい部屋に入っても簡単に発熱停止できないこと。単にもったいないというだけでなく、そのまま身につけていると汗をかいてしまって体にも悪い。室内では一時的にカイロを密封容器に入れて酸素を与えないなどの工夫をしてみられてはいかがであろうか。
窮極の防寒着↑
「南極観測隊用ジャケット」なるものを民間人も購入できるようだが、そこまでやる必要があるだろうか?実体験のある方は是非お聞かせ願いたい。
http://www.zanter.co.jp/products_polewards.html
腹巻き↑
最後に、手足が冷えて困っておられる方はお腹を暖めると、腹部に集中していた血液が四肢に廻るようになって冷えが緩和されるそうである。冷たい飲み物は控えるなど対策を考えてみよう。「腹巻き」とよばれていたオッチャンファッションは昔の話で、今では洒落たインナーも開発されている。(夏の冷房病にも利き目がある。)スーパーマーケットへいけば一枚千円ぐらいのものもある。
防寒具(男性編)↑
上半身の防寒具は、基本的には何枚も着込めばいいわけであるから比較的話が簡単である。宇宙船の外壁に使われる特殊な断熱塗料でコーティングした羽毛ジャケットなども出回っているから、あまり寒くならないうちにスーパーマーケットなどに出かけて入手しておかれるとよかろう。
難しいのは下半身の防寒である。零下何十度の中では、「伊達の薄着」は通用しない。かといって、日本式のももひき、男性用パンストなど着脱に手間暇かかる下着をズボンの下に着用していると、建物の中に入った時が大変である。屋内は半袖でいられるぐらいガンガン暖房するのがアメリカ流なので、厚着のままでいたら汗をかいてしまう。そうして濡れたままで屋外に出たら、それこそ凍傷になりかねない。
筆者があれこれ試して比較的役に立つと思ったのが
- ズボンの上に重ねてはく袴状のウインドブレーカー
である。完全に風を遮断するので零下10度以下でも自転車に乗れるし、人前で着脱しても特に無作法とは思われない。膝用のサポーター(百円ショップで買える)を着用すると膝の上下何十センチかは確実にあたたかくなるが、脚全体をカバーするわけにはいかない。
それでもまだ寒いとおっしゃるなら、意外や意外
- 女性用の膝上ストッキング(片足ずつ別になっているもの)
が男性にも役にたつ。たとえ生地は薄くとも一枚余分に重ねているというだけで体温の放散がかなり防げるし、逆にどうしても暑ければズボンをはいたままでも脱ぐことは何とか可能である。選択のポイントとしては、最上部にすべりどめのゴムがついているものが便利である。それでもずり下がってくるようなら、すべりどめのパウダーを試してみるとよかろう。こういう苦労談を同僚の女性にしたら解決策としてガーターベルトを着用することを勧めてくれたが買いにいく勇気が起こせず、そのうちに勤め先がかわって寒冷地を離れてしまった。
防寒具(女性編)↑
(執筆希望者を募集しています。)
窓際の本に注意↑
戸外の気温が低いと室内の湿気が窓ガラスで冷やされて露結することは、だれしも経験済みと思う。冬期の気温が零下何十度という寒冷地では、この水滴がそのまま窓ガラス上で凍結してしまい、それが重なって何センチもの厚さになることすらある。たまにやや暖かい日があったりするとこの氷が溶け出して窓際に置いてある本が水浸しになってしまう。冬期に窓際に本を置くのは気をつけた方がいい。
もっともこの氷が断熱材となって部屋がさらに冷えるのを防いでいてくれるというのも事実なのだが、気になる方は自動車用の霜取りゴテなど使って定期的に氷を落としておかれるとよろしかろう。
乾燥対策↑
セントラルヒーティングだと気温があがるにつれてどんどん湿度が下がってますます喉を痛めたり風邪をひきやすくなる。加湿器を買うのがもったいないという方は、濡れタオルを部屋につるしておくといいだろう。自室に隣接してシャワー室があるなら、シャワーを浴びている間、自室との間のドアを少し開けておいて湿気を供給することもできる。
ただし、こうやって加湿すると寒冷地では窓の露結や氷結がますますひどくなるので、こまめな霜取り(というより氷落とし)をお勧めする。
日本人とどうつきあうか↑
在米中、一切日本人と付き合わず、終始英語だけで通す人もおられるそうである。極端な場合、たまたま日本人と会っても英語で受け答えするとか。このように24時間英語という環境を自分に強いれば確かに英語力は向上するであろうが、筆者のように意思の弱い平均的日本人にはとても耐えられそうにない。
日本人だけで固まって一歩もそこから出ていかないというのも困るが、ある程度は日本人同士の情報交換もあっていいのではないだろうか。日本人会のパーティーなどがあれば、顔ぐらいは出しても、ばちはあたるまい。
とは言え、話す相手が日本人だけになってしまっては、やはり折角外国にやってきた意味も薄れるというものであろう。
ことさら英語を勉強するために来たわけではないかも知れないが、広い意味での北米文化や社会への理解を深めるという付加価値がなければ、わざわざ万哩の波濤を越えてやってきたのにもったいない。
日本人会活動−−役員経験は 何かと有利↑
日本人会の役員は、やり手がいなくて「ババ抜き」みたいにして決められることがよくあるみたいだが、これは実は色々メリットのある仕事なのである。まず学部生の場合、こういう活動をやっていると大学から優先的に奨学金の枠を回してもらえる。就職や進学にあたって、「リーダーシップあり」とみなされて有利になることもある。大学院生の場合でも、business専攻の方など、こういう活動を通じて人脈をひろげ将来の商機を狙うのが深謀遠慮というものではないであろうか。ましてや、近年インターネットを利用して、全米の日本人会の連絡組織を作ろうという気運がひろがりつつあるというご時勢である。
コンピューター、買うべきか?↑
北米で学生生活をしていると、必ず自分のコンピューターがほしくなる。大学にもコンピューター・ラボはあるが、学期末はこんでいるし、一日中あいているわけでもない。自前のコンピューターがあれば、色々な設定を便利なように決めてどんどん使いやすくすることもできる。「欲しくなったら、買うべし」というのが筆者のアドバイスである。どうしても本体に手が出なければ、ZIPやSuperFloppyのような大容量のドライブを買って、環境を丸ごと持ち歩くという手もある。こうするとどの機械を使っても自分の好きな環境で仕事が始められるわけである。ただし、学生用のコンピューターサイトでこういう外部記憶媒体を接続させてくれるかどうか、確認しておいた方がいい。特にワークステーションがネットワークにつながっている場合、外部媒体に乗せたシステムから立ち上げるのは嫌がられることがよくある。
コンピューターの学生特価↑
北米では、大学の売店を通すと学生は大幅な割引率でコンピューターが買えるから、1500米ドルも出せばプリンターやモニターも含めてかなり高性能なものが手に入ってしまう。コンピューターを常時自由に使える利得は測り知れない。新学期にあわせて、特売セールもある。どうしても節約したければ、プリンターは後回しにしても、本体とモニターだけは早めに手に入れて慣れ親しんでおくのが得策である。キャンパスには中古品も出回っているが(掲示板に、"For Sale"広告がよく出ている)、折角なら新鋭機を買ってはどうだろうか。
どうしてもPCとプリンターとも新品を買うだけの予算が組めないなら、新品のPCを買ってプリンターは中古にするとよかろう。個人用途のプリンターの技術はかなり成熟化していて、2〜3年でそんなに画期的な新商品は生まれないからである。ただし、PCにあったプリンタードライバーが入手可能かどうかは確認しておいた方がいい。特にマッキントッシュなどシェア率の低いパソコンの場合、OSの更新にあわせてプリンター会社が新しいドライバーを作ってくれていない場合がある。こうなるとせっかくプリンターを買ってもただの粗大ゴミになってしまう。
いずれにせよ、PCの機種選定にあたっては、大学の先生や先輩の意見を一応聞いてからにした方がいい。概して工学部やビジネス系ではWintel系PC、教育学や芸術系ではマックに人気があるが、大学によっても指向が異なる。所属学科の大勢に合わせた方が何かと便利なことはいうまでもない。
なお、システムを問わず、 学生の間では最近ノートブック・タイプが流行りのようである。ノートブック・タイプはもちろん持ち運びに便利だが、キーボードが狭くて窮屈だし数字入力専用の10-key boardがない、トラックパッドはマウスにくらべて使いにくいなどやはり欠点もある。とはいえ、10-key のみの拡張キーボードを作っている会社があり、ノートブックパソコンにつなげて使うことが可能である。マウスをノートブックにつなげることも可能だ。こうしてみると、今やデスクトップパソコンとほとんど遜色のない機能と操作性をA4サイズのノートパソコンにもたせることができるようになったともいえる。(ただしノートパソコンは盗まれ易いので、防犯対策とファイルのバックアップだけはしっかりやっておこう。盗まれた機械の代金は旅行保険でカバーすることも可能だが、知的財産は金にかえようがない。)
なお、ノートパソコンはユニバーサル電圧対応になっているので、変圧器がなくても世界中で使える。日本で買ったノートパソコンを外国で使いたい場合、コンセントの形状をあわせるプラグさえ手に入れればよい。(安ければ数百円、世界中の各種のコンセントの形状に対応した便利グッズでも数千円で買える。)
因に、筆者は1993年以来長きにわたりMirror Technologyの2ページ大モニター(白黒)をマックに接続して使っていたが、これを使いはじめてから論文を書いたり教材を開発する能率が大幅に向上した。ページ全体を一画面に収めて見られるから、編集がやたらに楽なのである。特に、博士論文を切り張りしてまとめなおして雑誌に投稿したり、過去に作った教材を再編集した際は、この2ページ見開きの機能で大助かりした。値段の点でも、高い買い物ではない。今買うなら液晶カラーモニターになるだろうが、これもかなり値段が下がってきている。
ただしノートパソコンの場合、こういう大型モニターを接続しても2ページ分の情報を表示してくれない機種もある。あらかじめ仕様を確認しておいた方ががっかりしないで済むだろう。
通信販売でお買い得↑
学生特価が設定されていないソフトやハードも、通信販売で買えばかなり節約できることが多い。通信販売業者は店舗を構えない分経費が節約できるから、速達便で送品してもなおかなり低価格に抑えられるのである。通信販売専門の業者もいくつかあって、常時何千種類もの商品を扱っている。通信販売を利用するなら、まずカタログを手に入れねばならないが、コンピューター関係の雑誌に載っている広告から電話番号を調べて連絡し、顧客名簿に載せてもらうのが一番手っとりばやい。そうなれば、定期的にカタログを郵送してきてくれる。(ホームページを設けている業者もある。)個人客の場合、通信販売を電話申込する場合の支払はクレジットカードでするのが慣例になっている。なお、通信販売を利用する場合、自州外の業者から買うと州のsales taxがかからないのでかなり節約できる。注文の際は必ず、州税が課されないように念を押そう。(倉庫が自州内にある場合も、帳簿上の操作か何かで州税が課されないようにしてくれる業者もある。)
ワープロは命の綱↑
どの学科でも、書いて何かを報告しようと思えばword processorのお世話にならざるをえない。大学院生にとっては、「命の綱」といえるぐらい大事なものである。
英文ワープロソフトの種類は、学科の中で統一されている方が便利だが、最近はファイル交換用のユーティリティが整備されてきたので、変換も以前ほど面倒でもなくなってきた。とはいっても、同じファイルを変換なしに共用できた方が便利には違いない。図表などのレイアウトが複雑だと、変換ソフトを使ってもオリジナルが完全には復元できない場合もある。
数学や音楽、音声学専攻などで、特殊な記号を使わないといけない方は、どのワープロがいいか教授に相談してみられたい。
コンピューター専用回線を設ける↑
コンピューターが自宅にあれば、通信用にも使いたくなる。もちろん、多くの大学では学外からもサーバーにアクセスすることが可能である。
しかし、いかんせん、モデム経由で電話回線をネットワークにつなげている間は、誰かが電話をかけてきても応対できない。もし電話回線でメーンフレームにアクセスしながら、電話相談で大学の相談室のシステムエンジニアの知恵を借りよう、なんて思ったら、一回線ではお手上げである。もしあなたが毎日自宅からメーンフレームに何時間もアクセスするタイプで、同じアパートにいつくつもりならADSLや光回線を敷設するなどして電話とネットワーク回線を同時に使えるようにしても引き合うだろう。もし工事が必要になるなら、家主のOKをとった上で(了承する旨の書き付けを必ずもらっておく)、電話会社に連絡して敷設工事にきてもらう。アメリカは「規制緩和」と自由競争の先進国なので(というより、もともと日本よりは規制がずっと少なかった)、概して工事料金は日本にくれべればずっと安い。ただし、しっかり見積り書(quote)を出させた上で工事を発注するのは当然である。
こういう工事費は自己負担が常識であるが、一応家主に交渉してみても「駄目でもともと」である。大学街なら、「これから先、コンピューター専用回線があれば売り物になりますよ。」と話を持っていってもいいが…。ここから先は、読者の腕次第です。
自分のWWWホームページを作る↑
学生が自分のホームページを持てるようにしている大学が数多くある。大学院生なら少なくとも自分の書いた雑誌論文や学会発表のリストぐらいは載せておいて、PRを図るべきだろう。中には、論文をまるごと載せている人もいる。また、学会や雑誌に自分の研究を発表する時は、時間や誌面の制約からプロジェクト全体の一部しか出せないのが普通だから、それを補う資料や付録などを自分のホームページに載せて公開することも可能である。はじめからそのつもりなら、学会発表の際の配布資料などにも、自分のホームページのアドレスを明記しておくとよい。さらには、学会の席上では聴衆に何も配らず、「後でホームページをみてください」ということも考えられる。
個人ホームページをどういう風に作ったらいいかわからないなら、まず他人のホームページをたくさん見ることである。さらに一人でも多くの人に見てもらいたいなら、次のようなチャンネルを通じて自分のホームページ・アドレスを宣伝することが可能である。
- 各種サーチエンジンに登録
- 電子メールのsignature(最近更新のページを特記するも可)
- 住所ラベル
- 名刺
なお、卒業後まで大学のサーバーを使い続けることはできないから、いずれホームページもアドレス変更を迫られる。そのたびにリンクやらブックマークのつけかえで、ホームページを見てくれる人達にも余計な手間をかけることになる。そこで御紹介したいのが、 http://easy.to/REMEMBER/ などで一生使える転送アドレスを取得する手である。これなら、転送先を変更登録さえすれば、サーバーがかわっても一生同じURLアドレスで通すことが可能である。
もう一つは、GeoCityなど公開無料サイトを利用することである。ホームページの主要部は大学のサーバーに残すとしても、表紙ページだけでも公開無料サイトに置くというのはいかがであろうか。(とはいっても、他のサイトにリンクする表紙だけでコンテンツのないホームページであることがばれると、閉鎖されても文句がいえない規定になっている。長期にわたって更新されていないサイトも削除対象になる。ある程度の内容は公開サイトの方にも入れておくのが無難だろう。)
最近ではBlogやWikiのように直接Web画面に書き込んでそのまま公開できるシステムも普及しているから、HTML編集ソフトを開いたりアップロードしたりするのが面倒な方はこちらも調べてみられたらよかろう。自分が出席した学会の情報などだけでもブログに記載しておくと、あとあと履歴書にまとめるにあたり便利な記録になる。
スケジュール管理↑
カレンダー↑
いざ学期がはじまると、常に時間との競争である。プロジェクトやタームペーパーのしめきりが何日先かは必ず頭に入れておかねばならない。さらに、パスポート、ビザ、運転免許などの有効期限も結構忘れ勝ちである。そういう用途には、月めくり式のカレンダーやスケジュール管理用のコンピューターソフトが適しているとはいえない。長期の展望が一目でみわたせないからである。(概念を視覚的に明示することは、全体像を瞬時に把握するために有効な方法である。)学期全体、あるいは学年全体(できれば数年後まで)が一目でみわたせると、先手を打って行動できるし見落としによるチョンボも防げる。通常の月めくりカレンダーをばらばらにして一年分を全部壁面にはりつけるという手もある。
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| 2010/4 | ||||||
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| 2010/5 | ||||||
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筆者は長年Southworth社の大型Yearly Planner(通年式年間計画表)とW. T. Rogers社の小型Yearly Plannerをオフィスの壁に貼って愛用している。大学のBookstoreにも通年計画表がおいてあるかもしれない。こういった年間計画表は週の周期で日を横に並べるのではなく、一ヶ月分三十何日を縦一列に表示するので、締め切り日までの日数が物理的量としてより直観的に掴みやすいという特徴がある。いずれにせよ、
- 目につく場所にはっておく
- 各種の提出物や書類/申請の締切などを目立つようにカレンダーに明記する
- 各週が学期の第何週にあたるかを1、2、3…と書き込んでおく
などの工夫をして時間をコントロールし、常に先手が打てるようにしよう。「時間を制する者は留学を制する」のである。
手帳↑
スケジュール管理のためには、常時携帯できる手帳も必須だ。使い慣れた手帳を日本から取り寄せる人もいるが、現地で気に入ったものがあればそちらに切り替えた方が手間は省ける。アメリカで出回っているスケジュール帳は中辞典ぐらいのサイズのものもあるが、それでは手軽にポケットから取り出してメモをとることはできない。やはり携帯性を考えて「そこそこの大きさ・厚さ」に収まるものを使った方がいいようである。
さらに、履修科目のシラバスの縮小コピーをとって手帳に綴じ込むなどしておくとこれまた何かと便利である。不幸にして履修規定の解釈をめぐって担当教授と一戦交えなくてはならなくなった時も、こういうデータが強い味方となってくれる。
なお昨今では高機能のPDAも出回っているが、一覧性とアクセスのスピードを必要とする予定管理では、今のところ紙を越えるデジタルツールはあらわれていないように思われる。さらに詳しくは次の野口悠紀雄氏の著書をご覧ください。
最寄りの日本領事館に居所を知らせる↑
邦人の所在を捕捉するのも在外公館の仕事の一つらしい。隠す必要もないなら一応届け出ておかれればよかろう。3か月以上の在留者は届け出の義務あり。(ただしこれを怠って処罰されたという話はきいたことがないが。)万が一、滞在地で反日暴動がおきたり拉致されたりしたら救出の手だてを講じてくれる‥かもしれない。(こういう事態における外交官の熱意のほどはそれこそ人によってピンキリだそうなので、「ピン」に当たることを期待するしかないが。)
もちろん、海外居住中に日本の国会議員選挙に投票するためには領事館に在住登録していることが必須である。 (朝日新聞1999年4月29日朝刊より)
在外投票の選挙人名簿登録申請受け付け、5月1日開始
約58万人の海外に住む日本人有権者が国政選挙に初めて投票できるようにした改正公職選挙法で、投票に必要な在外選挙人名簿への登録申請の受け付けが世界各国の在外公館(大使館と領事館)で5月1日から始まる。登録すれば、来年5月以降に行われる衆院選と参院選の比例区に投票できる。自治省は「なるべく早く申請してほしい」と呼びかけている。
登録できるのは、満20歳以上で、一定の住所に3カ月以上住む日本人。申請は本人が旅券と3カ月以上の在住を証明する住宅賃貸借契約書などを持って、在外公館に行く。本人確認のためだ。在外公館が住所地にない国は、住所地を管轄する在外公館に行かねばならない。
申請すれば、国内の最終住所地か本籍の市区町村選挙管理委員会で登録され、「在外選挙人証」が交付される。この選挙人証を使って、在外公館で投票したり、郵便投票の用紙を市区町村選管に請求する。
在留邦人は外務省の1997年10月の調査で約78万人。うち成人は約58万人と推計されている。
(16:39)
パスポートを更新する時も、領事館に在住登録を出していれば日本から戸籍謄本を取り寄せる必要がない。なお、北米各地の領事館にはそれぞれ担当地区が割り当てられているので、自分の地区の担当館がどこかぐらいは頭に入れておくべきである。とはいえ、この地区割りは日本の自治体の行政手続きほど厳密ではない。たとえばMassachusetts州のAmherst市在住でBoston領事館管轄地区にいる人が、学会でNew York市に行く際についでにNew York領事館でパスポートの更新もやってしまおう、なんていう場合は、結構柔軟に対処してくれることもある。いずれにしても、事前に問い合わせて確認をとっておくことが何より大事である。
パスポートの更新↑
在留中にパスポートの期限が近づいてきたら、早めに更新の手続きをとった方がいい。期限切れ前なら一日で申請から発行までやってくれるが、期限を越すと2度にわたって出頭を要求されることがあるからである。必要書類は電話などで確認されたい。
Immigration Officeの恐怖↑
ビザにまつわる件は、できる限り大学の担当オフィスで済ますのが得策である。Immigration office(出入国管理局)というのはおそろしいところで、申請書類一枚もらうために一時間以上行列しないといけないこともある。特にひどいのがサンディエゴなどメキシコ国境に接している地域の管理局で、いついっても混雑していてお役人もとてつもなく横柄である。
しかもそうやってもらった書類が間違っていることもある──窓口のお役人は必ずしも出入国管理法全般に精通しているとは限らないから、多少こみいったケースになると結構間違いが多いのである。たとえ役所の側の間違いでも、それにしたがって間違った申請をした場合、その責任はガイジンたるあなたがとらされる可能性が大いにある。選挙権のない外国人は議会にロビーする力もなく、一人前の住民として扱われないのである。とりあえずせめてもの自衛策として、窓口で対応したお役人の氏名を後日の証拠に控えておいた方がいいだろう。電話で問い合わせた時も、必ず相手の名前を確認することにしよう。
もしビザに関して面倒なことになり大学の担当部局では処理しきれなくなった場合、多少の出費は覚悟して早目に出入国法務専門の弁護士に相談するのが得策だ。こういう専門弁護士は役所と特別な交渉ルートを持っていて、常人が申請すれば何か月も待たされるような手続きを大急ぎでやらせる術も心得ている。手続きを全て代行してもらうと結構な出費になるが、作戦を教えてもらうだけでも時間と労力の大幅な節約になることが多い。
法律沙汰に巻き込まれたら↑
Law Schoolのある大学では、院生の実務訓練を兼ねて無料の法律相談をしてくれる場合がある。アパートの契約でこじれた場合など、まずはこういうところで専門家のアドバイスを受けよう。
ただし、次の点だけは頭に入れておこう。
(1)大学を相手どった損害賠償の相談などは受け付けてくれない。
(2)こういうサービスを利用できるのは本来は授業料を支払っている学期の間に限られる。(たとえば夏休みで夏期講習も受講せず授業料を払っていないとすると、利用する権利はない。)
とはいえ、事情を話して頼んでみると何とか融通を利かせてくれる場合もあるので、とにかく一度は足を運んでみてはいかがであろうか。
たまには正装を↑
社会人経験のある人でも、一旦学生生活に戻ってしまうと、気楽なジーパン、Tシャツで過ごすということが多い。普段はそうやって格好を気にせず学業やその他の活動に専念してさしつかえないのであるが、やがて卒業間際になって再び面接試験を受けるころ数年ぶりにスーツに袖を通してみると、何ともぎこちなく、服に着られているような気がしてしまうことがある。(筆者は2年間のハワイ滞在後、ネクタイが結べなくなっていた!)スーツ姿で会食でもしようものなら、袖口や襟がやたらに気になって食事も会話も上の空(というのは少し大げさだが)。こういう居心地の悪さは不思議と相手に伝わってしまうもので、立ち居振る舞いから何となく学生っぽい、プロらしくないという印象を持たれてしまったら、不利になることは言うまでもない。
こういう事態を防ぐためには、学生時代も時にはスーツ(あるいはブレザー)に袖を通して一日を過ごしてみることである。スーツを着たままで、食事や通学など動きのある活動をすることが肝要だ。男性ならネクタイ着用のこと。週一回が無理なら、せめて月に一回ぐらいはそういう格好で過ごすと、いざという時に勘が鈍らないですむ。Teaching Assistantをしておられる方は、時には正装で教えておかれるとよろしかろう(学生に冷やかされるかもしれないが)。インタビュー先で模擬授業や研究発表をやらされることも大いにありうるからである。社会人経験のない方はスーツなど持っておられないかもしれないが、留学を機会に一着ぐらい買っておかれることをお勧めする。
好みの勉強場所を見つける↑
落ち着いて勉強できる場所を見つけるというのは結構大事なことである。人によって、自室で勉強するのが一番落ち着いたり、図書館が好きだったり、芝生の上にござを広げたり、寮の集会室でとぐろを巻いたり、市バスを何往復も乗り続けたりと、好みは千差万別である。
意外な狙い目といえるのが、大学の食堂である。大学によっては主な食堂を朝から夕方までずっとオープンにしているところがあり、その間いったん中に入ってしまえばコーヒーや紅茶も飲み放題ということが多い。(場合によっては、朝食料金を払って中に入れば昼過ぎまでねばって昼食もそこで食べてしまってもお咎めなしというところもある。)筆者の知り合いの哲学者はこれを利用し、授業のない日は朝から夕方前までずっと寮の食堂で勉強しておられた。
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