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北米留学上級技術マニュアル - 出願手続きの基本


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手続き所要期間

 出願から入学まで、大学によっては最短半年以内で済ますのも可能だが(秋入学の場合、3月出願→5月入学決定→9月入学)、これではあまりにも性急で、奨学金などの財政援助を得られるチャンスがぐっと少なくなる。充分に学校研究をした上、応募書類もじっくり練ってから出願したいなら、1年半ないし2年前から準備をはじめてもはやすぎることはないと思う。実際、ロータリー、ライオンズ、フルブライト、East West Centerなどの奨学金は一年以上前から準備をはじめないと間にあわない。こういう外部奨学金の願書はとりあえず、志望校が決まる前にでも取り寄せておきたい。

一流大学ほど締切が早い

 北米では「格」の高い大学ほど願書の締切が早いという傾向がある。場合によっては、年内に願書を出せば翌年早々に結果を知らせてくれる、ということすらある。逆に、「格」の下がる大学になればなるほど、いつまでも願書を受けつけてくれる。(日本と違って私立大学でも高額の入学金を早々と納付させるという制度がないので、締切を早く設定しても必ずしも経営上得にならないのであろう。)

出願締切も絶対ではない

 「出願は2月15日まで」と書いてあるのに、書類の準備が遅れてしまい今日はすでに16日!というなら、とにかく出願するのも手である。期限以後に届いた願書でも、まだ入学者が定員に達していない場合、審査してくれる大学が多い。大事をとるなら、大学に直接電話して、まだ間に合うか問い合わせるとよかろう。また、とりあえず願書をファックスで送り、「願書の現物と出願料の小切手は追って郵送します。」と知らせるいう高等作戦もある。概して、願書さえ届いていれば、推薦状や成績証明書の提出は多少待ってくれる場合が多い。TOEFLやGREの得点証明書がETSから大学に届くのが間に合わないかもしれない、と不安なら、成績通知のコピーを願書に同封しておくのも作戦のうちである。(ただし逆に「コピーを送るだけで正式な得点通知依頼を出していないのか?」と心配するかもしれないので、赤いペンで「この成績の証明書は送付手配済み」と書き込んでおいた方がよいだろう。)

入学時期もいろいろ

 北米の学校の学年度が秋にはじまることは常識だと思うが、秋学期以外の入学を認めてくれる学科もある。夏学期から現地入りして単位稼ぎをはじめるのはよくある手だし(そういう学生のために、夏に基礎科目を開講する大学が多い)、1月の春学期から始める学生だっている。ただし、秋からはじめた方が、新入生向けのガイダンスなど、大学側の受け入れ体制が整っていることはいなめない。寒冷地に1月に着くと、何かと大変でもある。

入学申込書類

 ざっと主なものをかぞえただけで、

  • 入学願書(外国人学生用のもの)
  • 出願料送金小切手
  • 応募趣意書(statement of purpose essay)
  • 推薦状
  • 英文成績証明書
  • 英文預金残高証明書
  • (英文住民票)
  • 留学試験結果報告書

 さらに、大学外の各種の奨学金に申し込むなら、それにも別途、願書や推薦状をつけないといけない。とにかく、出願は大仕事なのである。

書類の質がものをいう

 大規模校の、特に学部課程では入学審査も概して流れ作業式で、所定条件を満たす者をどんどん合格させていくからessayなど詳しく読んでもらえないかもしれないが、大学院、それも密度の高い研究教育を目指すところになると、書類の質が大きくものをいう。極端な場合、いかにテストの得点が高く、著名な人たちから強い推薦状をもらっていても、statement of purpose essayに書いてある内容が学科の目指す方向や教官の研究興味と合致しないと判断されたら、それだけで不合格になることも大いにありうる。

出願は早目に

 応募締切の直前まで待つようなことはせず、早目に書類を送付した方がいい。というのは、学科によっては到着した願書から五月雨式に審査をして入学許可を出すこともあるからである。その際、優秀な学生とみれば奨学金を出すなどの施策を講じて、何とか自分のところに来てもらおうとする。遅れて応募するとそういう奨学金の枠がもうなくなっているかもしれない。「先んずれば、留学を制す」。

入学後も尾をひく応募書類

 審査教官をうならせるような素晴しい応募書類を出した学生と、ボーダーラインすれすれで入学した学生では、 運よく合格した後も、扱いが違ってくる。まず、優秀と目された学生は各種の奨学金を優先的に回してもらえる。研究助手などのアルバイトの仕事のお声もかかりやすい。初年度は入学応募書類をそのまま財政援助の審査書類としても転用する大学が多いので、応募書類がいまひとつだと大学の援助を受けられる確率がぐっと下がってしまう。とにかく、自分の持つ経験・技能などを充分にアピールできるように応募書類を推敲したい。

追加書類もOK

 応募要項に要求していないような書類(たとえば、指定よりも長い応募趣意書、指定願書よりも詳しい履歴書、自著論文の英訳、規定数以上の推薦状など)を送っても一向にさしつかえない。少数精鋭主義の学科であればあるほど、丁寧に目を通してくれることは間違いない。ただし、あまりに膨大なものを送って嫌気をおこさせては逆効果なので、「必要にして充分」を心がけたい。たとえば推薦状は、どう多くても5〜6通が限度であろう。

準備は早目に

 推薦状をだれかに頼む場合、やはりかなり時間の余裕をさしあげないと失礼である。また、各種の証明書類集めも、とかく思っている以上に手間暇がかかる。早目に準備をはじめられることをお勧めする。

一年前の予行演習

 いくら説明を受けても、一度は実際にやってみないと出願手続きの流れを体得するのは難しい。「本番」でしくじらないために、留学を計画している年の一年あるいは一学期前に一度どこかの大学に出願してみるという手もある(練習が目的なのだから、手続きは全て自分でなされたい)。駄目でもともと、少なくとも次回はずっと効率的に準備を進めることができる。 

 「もし、まかり間違って入学許可がおりてしまったらどうしようか?」心配はいらない。「事情により、入学を一年延期(defer)してください。」と手紙を書けば、大抵の場合、翌年までその席を空けておいてくれる。

他部署からの情報収集

 入学願書提出と並行して、次のような情報も集めておくと入学が決まった後、ただちに入学にまつわる必要な手続きがはじめられる。連絡先の部署の呼称は大学によって多少違うが、次のように書いておけば、しかるべきところに届けてくれる(だろう)。

  • 住居(学生寮など):Housing Office
  • 駐車場:Parking Office
  • 大学総合案内書("Catalogue"):ただで送ってくれる場合が多い。まるごとWebに載っていることもある。有料の場合は、University Bookstoreに申し込む。
  • 外国人学生向けのサービス:International Student Office
  • 奨学金:志望学科およびFinancial Aid Office
  • 夏期講座:Summer Session Office(多くの場合、夏期講座の事務はそれ専門の部局が一手にうけおう。)
  • 助手の仕事:志望学科およびその他関連部科(たとえば、日本語の教授助手をやりたいならJapanese Language Program)

 これに加え、大学外の奨学金(例:ロータリー・クラブ)に申し込むならその手続きも早くから進めなければいけないことは言うまでもない。



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