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北米留学上級技術マニュアル - ラクしてトクする旅の工夫


目次



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 現地に到着するや、新しい環境での緊張に満ちた生活が待っている。旅中は体力を温存し、心身ともにベストコンディションで留学生活が始められるようにしたいものである。最近は海外旅行経験豊富で旅慣れた方が多いので、こんなことまで書くのは蛇足かもしれないが、一応「旅の工夫」のようなものをご紹介します。当然ながら筆者の知識経験はエコノミークラスに限られているので、それ以外のクラスについてはそれぞれの経験者に確認されたい。



魔女の宅急便
俳優等:高山みなみ, 佐久間レイ, 信沢三恵子, 戸田恵子, 山口勝平
出版社/メーカー:DVD
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
発売日:2001-06-08
メディア:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
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13歳のキキちゃんがお母さんにもらった古帚にまたがり魔女の修業に飛び立つ満月の夜のシーンがステキです。キキちゃんのように「やったるで!」とガッツを燃やし、胸ワクワクで旅立ちたいものです。

旅の計画

Frequent Flyer's Clubに加入する

 航空業界では、自分の会社の航空便で旅行した飛距離を通算し、それが一定以上になるとただの航空券をプレゼントするなどのお得意様サービスを行っている。このサービスを受けるためには、その航空会社のFrequent Flyer's Clubに入会しなければならない。入会といっても、会費などはいらない場合が多い。(提携ホテルやレンタカー会社を利用した際にも、飛距離をつみたてることができる。)

 入会する時はフルネームで登録するようにしよう。普段使っているニックネームで登録すると航空券に記載されている氏名と合致しないというのでマイレージ登録がめんどうになることがある。(国際線の航空券上の氏名はパスポートと一致しないといけないから、ニックネームは使えない。)

 提携航空会社の間では、飛行距離のやりとりができる。たとえば、A社とB社が提携していると、A社の飛行機で5000マイル、B社の飛行機で1,5000マイル旅行したのを通算して2,0000マイル旅行したとみなされるわけである。それに対する無料航空券は、A社、B社のいずれか(あるいは、その他の提携航空会社)のものを選ぶことができる。会員にはそれぞれ会員番号が交付されるから、航空券を購入する際、あるいはチェックインの際にこの番号を言って、飛行距離を自分の口座に加算するように申し出よう。

 事前に会員になっておかないと飛距離が加算されない(チェックインしたその場では入会できない)航空会社(例:日本航空;Quantus)もあるので、早めに入会手続きを済ませておいた方がいい。また、取得した累積飛距離が一定年限を越えると取り消されてしまう航空会社(例:日本航空;American Airline)や、自動的に有効期限つきの航空券引き替えクーポンを送り付けてくる会社(例:United Air;Northwestern Airline)もある。こういうやり方をされると、世界一周旅行ができるまでコツコツ気長に飛距離をためるなんてことは難しくなる。おまけにUnited Airは飛距離を航空券に交換するためにわざわざ同社の営業所に出向かねばならず、不便この上ない。

 この点鷹揚だったのが倒産してしまったTWAで、大昔かせいだ飛距離もそのままためておけるし電話一本で航空券への交換も可能だった。American Airlineは3年で飛距離が期限切れになるが、その間に一度でも同社の飛行機に乗ったり提携ホテルに泊まるなどして飛距離を増すと、それまでに貯めた飛距離が延長もちこしできる。

 当然ながら、飛距離をためるためには使用する航空会社を一社/一提携系列に絞った方が効率がよい。現地に到着してから観光旅行や学会などで飛行機を使う場合のことなどを考えると、大学最寄りの空港から各地への便が便利な航空会社を選ぶのが得策だろう。多くの航空会社は「ハブ空港」と称してどこかの主要空港に本拠地をおき、そこを起点として全米各地に長距離便を飛ばせているものであるから、地元にお住まいの方はその航空会社を選ぶと便数が多いうえ乗り継ぎ回数も最小で済む。主な航空会社のハブ空港は次のとおり。詳しくは各社のホームページもご参照ください。

航空会社連合の活用

 最近では世界中の主要航空会社の多くが連合を組んでいて、加盟航空会社の間でマイレージの移管を行なうことが可能になっている。たとえばStar Allianceに加入しているルフトハンザ航空機に乗って稼いだマイレージを、同じくStar Allianceに加盟している全日空のマイレージポイントに加算することもできる。
 ただし、いったん全日空で貯めたマイレージを後で他の航空会社のマイレージに移すようなことはできないので、どの航空会社で貯めるのが得かじっくり検討した方がよい。日本から北米に留学する方ならあとで使う機会の頻度から考えて、Star Alliance加盟航空会社ならUnited Airか全日空のいずれか、Oneworld加盟会社ならAmerican Airlineか日本航空に貯めるのが正攻法だろう。

日米間の太平洋線を就航している大手航空会社

  • American Airline(日本航空とマイレージ提携〜Oneworldに加盟) -- Los Angeles
  • United Air(全日空とマイレージ提携〜Star Allianceに加盟) -- Chicago
  • Northwest --Detroit

日米間の太平洋線を就航していない大手航空会社

  • US Air -- Pittsburgh
  • Delta -- Dallas

現地到着は早目に

 新入学生は遅くとも学期開始の10日ぐらい前には現地入りするべきであろう。時差ボケ対策はもちろんだが、入学手続きなどにも結構時間がとられるし、新入学生むけのオリエンテーションも1週間前ぐらいからはじまるから、直前に到着というのは感心しない。また、新学期開始のしばらく前に現地にいると、assistantshipの口が転がり込んで来たりすることもあるものである。(学生寮に入る場合、いつから入居可能かも確認されたい。学期開始直前には、24時間入居可能なように常時寮のオフィスを開けているところもある)。

 現地に夜遅く着くような計画にすると、大きな荷物をかかえて闇の中をさまよわなければならなくなる。あまり夜遅くや早朝の到着では、出迎えも来てくれない(出迎えの有無については、大学に問い合わせる)。できれば午前中に現地につくようにするのが理想である。

 また、できれば月曜日か火曜日、遅くとも水曜日ぐらいまでに到着するようにすれば、そのあとすぐに大学での諸手続きがはじめられ、時間が有効に使える。週末に到着するのは、避けた方が無難である。月曜日まで手持ち無沙汰だし、現地に知り合いがいない場合、大学のオフィスが閉まっているのでは緊急連絡もとりようがない。特に週あけの月曜日が祝日だったりしたら最悪である。

 いずれにせよ、航空券の手配がすんだら、学科長とadviserには到着の予定日を知らせておくべきである。出発直前に再度、電子メールで「これから出ます。〜日に着きます」と連絡しておくのもよかろう。

寄り道する?

 せっかく外国に行く機会だからというので、目的地の大学所在地への途上に寄り道観光してくる人がいる。(たとえば入学先が南部のバージニアの場合、まずロサンゼルスについてそこからバスや飛行機でアメリカ横断をするなど。)大きな荷物をかかえてあちこち寄り道するのは精神的にも肉体的にも余計な負担になるが、それをこなすだけの自信があるのなら挑戦してみられるのも一案であろう。

 さらにスケールを大きくして、西回り便でアジア・アフリカ・ヨーロッパ・カリブ観光を楽しんでからアメリカ大陸入りすることも不可能ではない。こういう場合、「世界一周切符」がお得だろう。世界一周便には経度の逆戻りができない(たとえば日本から西回り便でロンドンに到着した場合、そこから東のカイロにもどることはできない)などいくつか制約があるが、その他の点ではかなり柔軟な旅程がたてられそのわりに料金も安い。もちろん逆に東回り世界一周の航空券を買ってアメリカ留学の後で各地を観光することも可能だが、東回り便よりは西回り便の方が時差適応がしやすいようである。(つまり、普段より遅く起きる方が、早く起きるよりラク。)



世界一周航空券 Perfect Book
作者:世界一周堂, 地球一周コミュニティ
出版社/メーカー:単行本
朝日新聞社
発売日:2006-10-06
メディア:朝日新聞社
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世界一周NAVI 世界一周航空券完全ガイド
出版社/メーカー:単行本
イカロス出版
発売日:2007-12-20
メディア:イカロス出版
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楽な服装で

 米加本土に赴く場合、機中で半日近くを過ごすことになる。あまりフォーマルな服装をしない方が、機内で楽である。商用ではないのだから、スーツやネクタイは全く必要ない。入国審査で怪しまれない程度の格好でいいのである。足元は、ハイキングもできれば通勤時にもはけるようなはきやすい靴が融通がきいて便利だろう。(スニーカーは現地でも買えるから、必ずしもわざわざ持っていく必要はない。)

なお、例えば最終目的地はFloridaでも、入国審査は冬のJohn F. Kennedy 空港 (New York City)で、などという場合もありうる(入国審査は最初に着陸した空港で行なうので、乗り継ぎ便の場合、最初の寄港地が審査を受ける場所になる)。寄港地の気候も考慮に入れて服装を考えられた方がよかろう。空港によっては、飛行機を降りてから入国審査窓口へ移動する際、一度戸外に出ないといけないところもある。寒波の中を半袖姿で歩かされたらたまらない。

ついてすぐに必要なものは機内持ち込みにする

 直行便でないかぎり、預けた荷物の誤配・遅配はおこるものと覚悟しておいた方がいい。したがって、到着直後に必要になる書類や最重要品・こわれもの・丁寧な扱いの必要な精密機器などは機内に持ち込み、緊急性がやや低いものをスーツケースに入れて受付カウンターであずけ、さらに不要不急の品を別便で送るのが得策だろう。

刃物は預ける

 また、ナイフの類はどんなに刃先が小さいものでも持ち込みが禁止されている。(カッターナイフや十徳ナイフも禁止。)無理をして機内に持ち込もうとすると警察沙汰になりかねないので、あらかじめカウンターで預けるか、別便で送っておくのが賢明である。

これも持ち込み禁止


VICTORINOX(ビクトリノックス) ツーリスト 03603
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ジャケットを機内であずかってくれる

 スーツの上着などは機中で搭乗員にたのめば到着まであずかってくれる。したがって、機中では楽なワイシャツとセーター姿で過ごし、目的地が近づいたところでおもむろにネクタイを締めジャケットを返してもらって出陣の準備を整えることも可能である。到着早々、宿で着替える暇もなくスピーチの予定が入っているというような人には便利な制度である。こういう時に備えて、長距離便の機中ではワイシャツも皺になりにくい材質のものを着用した方がよかろう。もちろん、スーツなど当面は必要ないというのならフォーマルな衣服はスーツケースに入れて受付カウンターであずけてしまうことも可能である。

持ち込み荷物の色選び

 空気まくら、ブリーフケース、パスポートケースなど機内の座席で店開きするつもりなら、その色選びも考えてみよう。概して旅客機の床やシートは落ち着いた雰囲気を出すためか濃紺や茶色などの暗目の色合いがよく使われる。そこに同じような色調の荷物を広げたら落とした時に探しづらいし、降機の際に座席にうっかり忘れ物をしやすいかもしれない。選択の余地があるなら明る目の色を選んだ方が安全だろう。
 ただし、「暖色=明るい色」ではない。特に赤は青地に沈み込みやすいので、以上のような理由からいえばあまりおすすめの色ではない。

空港到着と搭乗まで

空港への足を確認

 空港までの経路と所要時間は、早めに確認しておかれたい。早めにチェックインをすませた方が安心なのは言うまでもない。Over-bookingで搭乗できなくなったりしたらおおごとである。国際便の場合、2時間前にチェックインするのが望ましいと航空会社の案内には書いてあるが(チェックインと同時に、荷物をあずける)、これはかなりサバをよんだ数字であろう。

 さて、早く空港に着きすぎて手持ちぶさたなら、各航空会社のカウンターを回って、Frequent Flyer's Clubの入会申込書を集めておかれてはいかがであろうか。ただし、日本の航空会社のFrequent Flyer's Clubの中には、日本在住者と海外在住者は別扱いにするところもあるから、これから外国でしばらく暮らす旨を説明して適切な申込書をもらう必要がある。

 また、大きな荷物をかかえて空港まで移動するのが嫌なら、事前に宅急便に荷物をあずけ、空港で受け取るというサービスもある。(ただしその場合当然ながら、出発の数日前に荷造りをすませて発送しておく必要がある。)

希望の席を手に入れる

 禁煙席か喫煙席か、窓側か通路側か、など希望を航空会社のカウンターで搭乗券発券時にいえば空きがある限りかなえてくれる。筆者の経験からいって、主翼の近くはエンジンの音がうるさいので避けた方が無難なようである。翼の真上では下界の景色も楽しめないし、翼からの照り返しを不快に感じる人もいる。太平洋線で日本から北米に向かうなら、右側(=南向き)の窓席は日除けのシェルターを下ろさない限り成層圏の強烈な紫外線の直撃を浴びることになる。(顔の右半分だけ日焼けしているのもカッコわるい。)長時間のフライトならトイレからあまり遠い席は不便なものであるが、逆にあまりトイレに近いと目の前に行列ができてこれも落ち着かない。

なお、航空会社によっては受付窓口で座席指定のモニター画面を旅客にも見えるように配置しているところがある。それなら一番気に入った席を指さして希望することもできる。

非常口の前が「穴場」?

 エコノミーの窓側席だとトイレに行く時などいちいち隣の人に動いてもらわねばならず、通路側の席にすわると逆の立場になる。どちらも億劫だというのなら、非常口の前の席をくれるようカウンターで頼んでみるとよい。大型機の緊急脱出用非常口の前は大抵スペースがたっぷりとってあり、窓側の席でも隣席の客をわずらわせることなく立ち上がって移動することができる。(もっとも、非常口ドアの構造によっては機内側に大きく迫り出しているものがあり、非常口前の窓側席では足をまっすぐのばせないことがある。したがって、「非常口前の通路側」が特等席ということになる。)

 ただし、前列に座席がないからその下に自分の荷物を入れることができず、持ち込み荷物は全部頭上のトランクに収納しなければならない。本や筆記具などを機中で頻繁に出し入れしたい人にとっては面倒である──これに備えて、機中で出し入れする物だけを入れたブリーフケースのようなものを準備しておくといいかもしれない。

 しかも、非常口の前の席では食事を載せるテーブルは座席の肘掛けから引き出す構造になっており、支点が左右いずれか一方だけになるため安定感がない。おまけにテーブルの位置が肘掛けと同じ高さで膝のすぐ上にくるようになっているから、テーブルを広げたままで席を離れることはまずできない。また、この席の向かい側には離着陸時に搭乗員が座るようになっていることが多く、これも好き嫌いがありそうである。

 また、非常口の前に座った乗客は緊急時に脱出口を開けて他の乗客の脱出を手伝うことを要求される。(離陸前の機内アナウンスでもその旨の説明がある。)それが満足にこなせる自信がないなら、この席は避けた方が他の乗客の迷惑にならないでよかろう。

余分の円を整理

 現地の人たちに日本の紙幣や硬貨の実物を見せるつもりならいいが、そうでなければ円をたくさん持っていっても役にたたない。現地の銀行で円をドルに換金するのも面倒である。(特に、硬貨は「補助貨幣」とみなされ、まずもって換金してくれない。)次回の帰国まで数年間無利子で多額の現金を持っているのも勿体ない。余った円は、空港で使い切るようになさった方がよかろう。どうしても小銭が整理しきれない場合、チャリティー精神で募金に協力するのも悪くない。空港内に募金箱があるかどうかは、現地でご確認ください。中には機中でそういう募金を集める航空会社(キャセイ航空)もあって、その心意気には感心させられた。

 また、円貨とドル貨がごちゃまぜにならないように、あらかじめ財布や小銭入れは二つずつ準備しておく(あるいは、二つポケットがあるものを使う)ことをお勧めする。出国前に空港で手持ちの円を現地の通貨に交換しておけば、到着してから両替をする時間が節約できる。

荷物受け取り場所を確認

 たとえば、成田発、O'Hare Airport (Chicago)経由の乗り換え便でIowa Cityを目指すとする。米国の入国審査を最初の入国地であるO'Hare Airportで受けるのはもちろんだが、その際、荷物の税関検査も同時に受けないといけない場合がある。つまり、預けた荷物をいったん引き出して税関を通り、その後また航空会社にあずけてなおしてから目的地へとむかうわけである。
 それを知らないと思わぬチョンボをしかねないから、航空会社の受付や機中の搭乗員によくよくその旨を確認しておかれたい。国際便の搭乗員でもこのあたりの手続きをよく知らないことがあるから、念を押しておいた方がいい──ギョーカイ内部の人間は通常通関手続きを略して通り抜けすることを許されているので、こういうことには存外鈍感なのである。
 とはいえ、パーサー級の搭乗員になるとさすがにこのような手続きにも通じているようである。どうも頼り無いと感じたら、「パーサーに確認してください」と頼むとよかろう。

消費税を払わない法

 出国審査窓口を越えれば税法上は既に日本国から足を踏み出したことになり、その「国外」で販売される物品には当然消費税がかからない。雑誌や新聞などのようにどこで買っても同じものなら、搭乗直前にそういうところで買うことも可能だろう。(もっとも、主要な新聞や週刊誌は機中においてあるが。)ケチ精神を誇りにしておられる方なら、額の多少にかかわらず教義励行の好機である。──ところが、過日名古屋小牧空港の国際線搭乗ゲート前の売店で買い物をしたら「消費税込みの価格です」と言われて頭に来てしまった。これって、税法違反ではないのかな?

搭乗ゲートを再度確認

 搭乗ゲートがやたらに多く、しかもGate 37, Gate 37a, Gate 37bなどと紛らわしい呼び方をしている空港がある。(米国の空港に多い。)シカゴ行きの便は37番ゲートだからと思って安心して搭乗したら、実は37bゲートからサンフランシスコ行きに乗せられていた、なんてこともありうる。もちろんゲートを通してしまった航空会社のミスでもあるが、自分の身を守るためには再度確認するにこしたことはない。一番確実なのは、ゲートについた時点で窓口の係員に搭乗券をみせ、間違いがないことを確認することである。搭乗券を相手に見せながら、"I just want to make sure that I have come to the right gate."とでも言えばよい。

間違った便に乗ってしまったら

 まともな航空会社なら、乗客から回収した搭乗券の半券をただちに点検して間違いがないか確認し、機の行き先と異なる目的地の乗客がいた場合は離陸するまでに降ろしてくれるものである。しかし、中にはぼけた航空会社があって目的地までそのまま運ばれてしまうことがある。機内アナウンスをよく聞いていれば「この機は〜行きの第〜便です」と確認コールをしているのであるが、乗客も時にはあわてて聞きのがすかもしれない。

 万が一、機が離陸してから間違った便に乗ってしまったことに気がついたら。これは乗務員に事情を話して対策を講じてもらう他ない。先方もこういうのには慣れているとみえて、最初の着陸地から別の便に乗せてくれることが多い。(こういう場合に備えて、各航空会社は振替便を融通しあうよう協定を結んでいる。)機内の乗務員では埒が開かない場合、空港についてから航空会社のカウンターに行って事情を話すとよかろう。

 こんな時、「無銭乗機をしてしまった」と悪びれてしまって謝る必要はない。手元の搭乗券をさししめしながら

"I am afraid you have put me on a wrong plane. I have to go to 〜. Can you make necessary arrangements?"

というぐらいの厚かましさがほしいものである。先方も訴訟沙汰にしたくはないので、追加料金などとらずに処置してくれる場合がほとんどである。機内で出された食事も、遠慮なくいただくことにしよう。とはいえ、やたらに居丈高になってホントの喧嘩になってしまっても得にはならない。

 空港内の搭乗口変更アナウンスを聞きのがし搭乗機を逃してしまった時などもしかり。慌てず騒がず(といっても慌ててしまうが)、窓口で事情を説明して対策を講じてもらうことにしよう。

ノートパソコンを空港で充電する

空港の搭乗待合い室にはあちこちに電源コンセントがとりつけてある。もともとは電気掃除機の電源をとったりするために設けたものだろうが、ここにコンピューターのコードをつないで使えば電池の残りを気にせずに仕事ができる。…などと書いていたら次のような記事が目に付いてギクッとした。空港でも、これからは係員に承諾を得た方が安心だろう。


悪気はなくても電気ドロボー

駅でコンセント接続 (夕刊フジ)
コンセントの無断使用は泥棒です-。JR名古屋駅(名古屋市中村区)で、神奈川県在住の会社員の男性(25)がコンセントに無断でノートパソコンを接続し、メールを送信したとして、愛知県警鉄道警察隊が窃盗容疑で事情聴取していたことが17日、わかった。
(中略)
県警は、男性を窃盗容疑で微罪処分にする方針で、「無断使用した電気料金は1円程度でも、立派な犯罪だ」と話している。
[ 2004年2月17日18時0分 ]


機中の電源を使用

最近ではエコノミークラスでもPC用の電源が座席についていることがある。ただしアダプター(家庭用のコンセントとは形状が異なる)は自分で準備しなければならないようである。往路の機中でパソコンを使いたければ、フライトが決まった時点で機内電源の有無と形状を確認しよう。それに合致したアダプターは、日本の電器店でも扱っている。

本来ならこういうアダプターは飛行機会社で用意してほしいものだが、それができないならどなたかレンタルサービスをはじめてくれないだろうか。空港に窓口を設ければ、結構いい商売になると思う。

機内での過ごし方

搭乗はのんびりと

 一旦機が離陸体制に入るとしばらく座席を離れてはいけないので、搭乗前に空港のトイレに行っておいた方がよかろう。また、ファーストクラスやビジネスクラスに乗るのでもなければ、急いで乗り込んでも仕方がない。他の乗客があらかた乗り込むまでは、ゆっくり待合席に座っていた方が楽である。(伝え聞くところによれば、ファーストクラスでは、着席したらすぐに飲み物が出てくるのだそうです。)特に通路側の座席を割り当てられた場合、窓側席の乗客の後で着席した方が面倒が少ない。逆に窓側の席をわりあてられた場合は、少し早めに乗り込むことも考えていいだろう。

新聞・雑誌は早い者勝ち

 ただし、エコノミー客の機中閲覧用の新聞や雑誌は搭乗口から座席に向かう経路においてあって早い者勝ちで自席に持っていける。したがって「どうしてもあの雑誌をいの一番にゲットしたい」というなら急いで搭乗するねうちもあるかもしれない。(乗客の搭乗が終わった後で客席添乗員が新聞や雑誌を配りに来てくれるが、お目当ての紙誌が残っているかどうか保証の限りではない。)

時計を合わせる

 飛行機に搭乗したら、すぐに時計を最初の寄港地の時間に合わせ、早く頭を切り換えるようにつとめよう(日付の変更もお忘れなく)。現地時間は乗務員に聞くのが一番確実である。最終到着地ではなく最初の寄港地に合わせる理由は、現地での再搭乗でしくじらないための配慮である。

居心地のいい席へ

 何となく居心地の悪い席に回されることがあるものである。他の乗客が全員着席した後なら、空いている席を見つけて移っても差し支えない。気になるなら、移る前にひとこと乗務員にことわっておくといいだろう。

毛布はこう使え

 座席にはあらかじめ毛布がおいてあることが多いが、夏場など搭乗した当座はまだ機内の気温が高くてとても毛布を使う気にならない。かといって座席においたままでは座り心地が悪いし、床に置くのも何やら汚い感じがして気が引ける。(概してアメリカ人は平気だが。)「使っていない毛布」は結構邪魔になるものなのである。
 こういう場合、毛布を筒状に巻き(「たたむ」のではなく)背骨に沿って背中にあてると、座席と背中の隙間をふさぐクッションの役割を果たしてちょうど具合がよい。エコノミー席の椅子はややくぼんだ凹型になっていることが多いので、そこにクッションを入れた方が背筋が伸びるのである。離陸してそろそろ機内が寒くなってきたころ、おもむろに毛布をほどいて肩や膝にかければよい。

耳ツン対策

 離着陸の時には、内耳の空気圧と機中の気圧との違いから、不快感をおぼえがちである。唾をのみこめば簡単になおるものだが、空気が乾燥した機中では、そう次から次へと唾も出てこない。唾液の分泌を促進する「特効薬」は、梅干しキャンディーやチューインガムである。気圧対策用の特殊な「耳栓」もあるが、これは試したことがないのでコメントしかねる。

足のむくみを防ぐ

 上空は気圧が低いので、足もむくんだ状態になる。ふだんピッタリの靴なら、飛行中は少しきつく感じると覚悟しておいたほうがよい。機中では靴を脱いでスリッパを着用すると楽である。

 鬱血を防ぐための足おき台も市販されている。(空気を入れてふくらませる床置き式のものと、つり下げ式のものがある──つりさげ式は前に座席がないと使えない。)

 なお、機が無事に着陸して周囲の気圧が正常にのもどった後もしばらくの間は足のむくみが尾をひくから、その後の道中で窮屈な思いをすることになる。対策としては、普段より少し薄目の靴下をはくとか、靴の中敷をはずしておくとかが考えられよう。

シートベルトは、常時締めておきましょう

 墜落事故や火災・乗っ取りとなると、乗客個人の力では防ぎようがないが、1997年の12月にUnited Airline機を襲ったような乱気流事故の際は、シートベルトを着用していることで危険を大幅に軽減することができる。機が離陸後巡航体制に入って着用サインのランプが消えた後も、すわっている間は常時ベルトを締めておくのが一番の安全対策のようだ。以下、事故直後の『サンケイ新聞』1997年12月30日号の記事、

「被害の有無分けた『シートベルト』」

より引用する。


「飛行経路の状況を把握していたとしても、『乱気流は強さや範囲、形、高さなど、時々刻々と変わる」(関川さん)。予想地域を回避したとみられる今回の事故でも運輸省では「予想地域からどれだけ離れれば安全なのか、というものはない』と、乱気流に対する完全な運航対策はないのが現状だ。

 関川さんによると、特に離着陸が多い空港の経路上空でジェット気流が発生するため、乱気流が起きやすい。国際線では、今回のように太平洋上を通る航空機の多くが通過する中緯度地方、国内では成田空港周辺の房総半島や名古屋空港近くの渥美、知多半島などの上空に乱気流が発生しやすいという。

(中略)関川さんは『自分の身は自分で守るしかない。窮屈であってもシートベルトは常に、きちんと着用すべき。そうすれば、たとえ乱気流に遭っても、ほぼ助かる』と指摘する。

 また国内の大手航空会社のベテラン客室乗務員も『飛行機が揺れるのは当たり前との認識を持ち、シートベルトを締める時間が長ければ長いほど安全の確率が高まると考えてほしい』と訴えている。 」


安眠の工夫 

 機中で眠る時は知らない間に首が左右いずれかに傾いてしまい長時間無理な姿勢が続くため、首筋が痛くなりがちである。これを防ぐためには、首の左右をささえて位置を保つ空気枕が有効である。昔は馬蹄型をしたものが多かったが、これだと頭を乗せる部分もかなりの厚さになるので自然と首が前傾してしまい、やや寝づらい。最近では頭を乗せる部分だけ低くなっている双胴船型(コの字型)のものも開発されており、こちらの方が寝心地がいいように思う。(もっとも、馬蹄型の空気枕でも、注入する空気の量を少なめにすれば頭を乗せる部分が頭の重みで低くなる。)


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機中で横になって寝る

 たまにガラ空きの便にのりあわせたら、隣接した座席間の肘掛けを垂直に上げてしまい、ごろりと横になることも可能ではある。(日本人の平均身長なら、横3列の座席を使えば膝をやや曲げるだけで横になれる。)

 とはいえ、こういう姿勢でいるとシートベルトが締められないから、上に述べたような乱気流にあった場合、体ごとふっとばされてしまう。そういう危険をはらんでいることを頭に入れたうえで、後はご自分で御判断ください。

おなかがすいたら

 筆者はまだ試したことがないが、国際便の機内食は余りがあれば「おかわり」してもらえるという話をきいたことがある。どのみち着陸すれば廃棄してしまうので、残しても仕方がないのだとか。胃袋に自信のある方は、試してみられては?のどがかわいた時なども、搭乗員をよんでのみものを出してもらうことは随時可能である。

胃もたれ対策

 運動もせずにひたすら機内食を食べていると胃がもたれてくる。体質にあった消化剤を持参するのが無難です。

一杯のんでリラックス

 国際線では、通常お酒も無料でふるまってくれる。軽く酔って熟睡するのは賢明だと思うが、気圧の低い上空では地表にいる時よりも酔いが回りやすいこと、空気の乾燥した機内でアルコールをとると脱水状態になりやすいことを、お忘れなく。

歯磨き・鬚剃り

「機内で歯を磨きたくなったらどうするか」というと、実は国際線の機内トイレに使い捨ての歯ブラシを常備してくれている航空会社があるのです(日本航空など)。──ただし、機中トイレでは髭そりにはまだお目にかかったことがない。もっとも一日や二日ひげを剃らなかったところでどうということはないともいえるが、「ひげをそらないと気分がひきしまらない」という方は携帯用の電気髭剃りを機中に持参なさるのも一案であろう。

機中の暇つぶし法あれこれ

 日本→北米大陸間は半日近い長旅であるから、いくらよく眠る人でもそのうちに機中で目が覚めてしまう。何かすることがないと退屈してしまうが、これからいよいよ留学という道中はついつい気持ちがたかぶってしまい、じっくりまとまった本を読むのはかえって難しいものである。そんな乗客のために航空会社でも

  • 座席備え付けの、航空会社PR誌
  • 音楽放送(座席に備えつけのヘッドフォンで聞く。日本の航空会社なら、落語なども流している。)
  • 新聞/週刊誌(着席後、搭乗員が配りにきてくれるが、搭乗する際にさっさともらってしまった方が手間が省ける。搭乗口(どういうわけか必ず機の左側にある)をくぐって通路を歩くと、雑誌や新聞がずらっと並べてあるコーナーがある。)
  • 機中映画上映(国際線機内の映画は、通常タダである。映画のタイトルはPR誌に載っている。)
  • お茶、コーヒーやお酒の随時サービス

等を準備している。また航空会社によっては、エコノミークラスの座席にも

  • 小型液晶テレビ

をとりつけて番組を選択できるようにしている場合もある。(テレビゲームができるものもある。)

 これらにも飽きた時のため、狭い座席にすわったままでできる作業を準備していくと退屈しない。たとえば、

  • 留学挨拶の葉書の宛名書き
  • 名刺ファルダー、住所録の整理
  • 関数電卓の解説書などを熟読して使用法を完全マスターする
  • 隠し芸の練習
  • マッサージや指圧の練習

心得のある方なら

  • ヨガなどの瞑想をする

も心身を整える上でよかろう。もちろん、長時間充電可能な

  • ノートPC

をもっていれば、自宅や仕事場でしていた仕事をそのまま続けることもできる。最近のノートパソコンはDVDを再生できるものがあるから、機内で好みの映画を見ることだって可能である。

 また、

  • 音楽や講演の録音を聞く

のも時間の有効な使い方といえよう。iPod ナノなど、超軽量のIC再生機も出回っている。特に講義録音の類を邪魔されずじっくり聞くには、長距離線の機中は格好の場所である。筆者の経験からいうと、機中で音声録音を聞くのは本を読むのにくらべれば集中しやすい。また、外国語の録音を聞いているうちに自然に眠くなるという有難い(?)副次効果もある。
 なお、機中ではある程度まともなヘッドフォンかイアフォンを使った方がいい。機中の騒音はかなりのものなので、安物のイアフォンではボリュームをいっぱいにあげても再生音が満足にききとれないことがある。

 因みに、ベストセラーのサワリの朗読や著名な著者の講演のテープやCDがアメリカではことのほか数多く出回っている。もともとは「自動車通勤の時間を有効に使いたい」というビジネスマンの需要に応えてこういう商品が産まれたのかもしれない。最近では音声ファイルをダウンロードすることもできる。

 もちろん隣席の乗客や搭乗員に話の相手になってもらえば格好のヒマつぶしだが、相手にも都合があるのであまり無理強いしないようにしたいもの。筆者がサンフランシスコから空路サンディエゴ入りした時は、座席でサンディエゴの地図を広げて「ふむふむ」とうなずいていると隣席に乗り合わせたサンディエゴ大学の学生が話しかけてきて、それから到着までずっと現地の事情を詳しくおしえてくれた。こういう「話のきっかけ」になりそうな小道具を持っていくのも一案かもしれない。

さらに高度なフライト技術を学ぶためには



すっぴんスチュワーデス 教えてあげる!―これであなたは「フライトの達人」
作者:静月 透子
出版社/メーカー:文庫
発売日:2000-07
メディア:祥伝社
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入国申請書類

 到着地に近づくと、搭乗員が入国申請用の書類を配りにくる。「後で書こう。」などと思わず、もらったらすぐに記入してしまうのが正解である。そのための筆記具(黒のボールペンが一番)を、あらかじめ準備しておこう。記入に必要なパスポート番号や発行日などの情報は簡単に取り出せるようにしておくと迅速に作業を終えることができる。

着陸後

入国審査をす早くくぐり抜ける

 入国審査窓口の前で順番を待っている人達は何列にもわかれて並んでいるが、よく観察してみると、進入通路の真正面の行列が大抵一番長く、奥まったところの行列は人数が少ないものである。そういう短い列を素早く見つけて並ぶと、さっさと審査がすむ。パスポートに添えて、大学からの入学許可の手紙を審査官に見せると、すんなりハンコをおしてもらえるであろう。(もっとも、預けた荷物を空港で受け取ることになっているならどのみち荷物が出てくるまでかなり待たないといけないから、入国審査の順番で多少時間を稼いでも帳消しになってしまうこともあるが。)

    • 靴を脱ぐつもりで

 最近のアメリカでは、保安検査に際して靴を脱がせる空港が多い。靴下(あるいははだし)のまま床の上を歩かせるのは「さすが」アメリカである。白っぽい靴下を履いていると床の汚れがついてしまうので、機中では色の濃い靴下を履く方がよかろう。

預けた荷物が着かなかったら

 乗り換え便の場合、これがよく起こるのである。荷物が届いていないことがわかったら、すぐに空港の苦情係に行って事情を説明するとともに、荷物が届いたらどこに届けてほしいかを伝えておく。こちらの連絡先の電話番号も知らせる。(「責任を持って荷物を探す」という書き付けを必ずもらっておく。)逆に、こちらから荷物のことについて連絡したい場合の担当と連絡先も聞き出しておく。もしまだ宿が決まっていない場合は、後でこちらから配達先を連絡する旨を伝えておく。こんな時に預けた鞄の色・形状や型式をすぐ説明できるよう準備をしておくと安心である。

 「洗面用具が預けた荷物の中に入っている。」と言うと、"Emergency Kit"とかいう洗顔セットのようなものをくれることがあるから、もらっておくとよかろう(男女別あり)。この中に歯磨チューブや歯ブラシなども入っているから、必ずしも洗顔セットを機内に持ち込む必要はない。

 また、預けている間にカバンが破損した場合も補償を請求できるから(ただしカバンとしての機能に影響しない小さなへこみなどは、免責される場合が多い)、異常に気がついたらただちにクレームすることにしよう。国際線の場合こういうクレームのカウンターは到着待合ゲート(出迎えが到着客を待っているところ)の手前の税関のあたりにあることが多いが、出口をくぐってから異常に気がついた場合も、門番さんに事情を話せばクレームのために逆戻りさせてくれる。

現地通貨を手にいれる

 出発時に両替を済ましていなければ、現地の空港の両替窓口でtraveller's checkを換金して当座の間必要になる現金を入手しよう。余程の長距離をタクシーで移動するというのでもない限り、ひとまず、200ドルぐらい現金にしておけばよかろう。土地にもよるが、概してアメリカでの200ドルは、日本の2万円よりもずっと使用価値が高い。

 なお、夜中に到着した場合など、両替所が閉まっている場合もある。出国時に両替を済ましておいた方が、安心ではある。数百ドル程度の両替えなら、レートによる損得はあったとしてもわずかなものである。

時差ボケ解消法

覚醒の体内時計

 時差ボケ(jet lag)とは、頭の中の昼夜の周期が新しい土地のサイクルとずれるためにおこる現象だが、この頭の中の一日周期は、日光を浴びることでプログラムしなおされる。


「外国に到着したら最初の二日間、戸外の光に当たるようにすると…外国到着三日目の朝の到来とともに「体内時計」は現地時間にリセットされる。」
(『毎日新聞』1989年6月17日号 強調は引用者による)


 したがって、現地入りしたら最初の数日は無理をしても朝は早起きして、戸外で日光を思いっきりあびることである。早起きする自信がなければ、せめて寝室のカーテンを開け放しにして、寝ながらでも朝日を浴びるようにしよう。
 実際、この原理を応用した目覚まし時計も商品化されている(日本国外には出荷しないようだが)。



National 生体リズム 光・めざましスタンド ASSA SB697H
出版社/メーカー:ホーム&キッチン
National
メディア:National
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ユーザー評にあるとおり若干使いにくいし、電気スタンドと目覚ましをくみあわせただけでこの値段は高すぎるように感じる。
 次の商品はもともとアメリカで開発されたそうである。時刻がデジタル設定なのは便利だが、操作が煩雑で間違えやすいのは困りものである。


EZウェイク サンライズクロック(PW)
出版社/メーカー:ヘルスケア&ケア用品
バイオブライト
発売日:2005-10-05
メディア:バイオブライト
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さらに機能性を改善した、使いやすくて安価な新商品を他社が開発してくれないだろうか。

体温の体内時計

 さて、この話にはまだ続きがある。生化学の専門家によると、


「体内時計は一種類というわけではなく、とくに重要なものとしては、次の二つが知られている。ひとつは睡眠と覚醒に連動して動くもので、これには成長ホルモン、カルシウムイオンの尿中排出、皮膚温度の変化などが関係している。もうひとつは体温と連動して動く体内時計で、副腎皮質ホルモン、カリウムイオンの尿中排出、レム睡眠のリズムなどが関係しているといわれる。これらの体内時計がうまく同調して動くことで、私たちの生理機能はスムーズに作動する。…私たちがいかに生体リズムに体を支配されているかを教えてくれる典型的な例に、「時差ボケ」がある。睡眠と覚醒の周期にずれが生じたり、食欲が減退し、ときに下痢をともなうなど、心身にさまざまな不調をきたす現象だ。海外遠征に出かけた運動選手が、体調を崩し、本来の力を発揮できない原因にもなったりする。これは、体内時計と現地の時間とのずれによいって起きる現象である。もう少しくわしくいうと、さきほど説明した二つの体内時計が、現地時間に適応するのに要する速度の違いによって起きる。睡眠・覚醒にかかわる体内時計は、比較的早く現地時間に適応するが、副腎皮質ホルモンやカリウムイオン排出のリズムを変動させて体温を調整する体内時計は、現地時間に適応するのに時間がかかるのだ。その結果、いくつかの生理機構の統合性が欠け、狂いが生じ、体調を崩してしまう。…自分の体内時計をまず標準時にきちんと合わせ、それに合わせて生活する----これがもっとも理にかない、ストレスも少ない、健康的な人間の暮らし方なのだろう。」

(加藤邦彦『スポーツは体にわるい』光文社、231〜236ページ 強調は引用者による)


スポーツは体にわるい―酸素毒とストレスの生物学
作者:加藤 邦彦
出版社/メーカー:新書
発売日:1992-11
メディア:光文社
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 つまり、現地時間の朝に合わせて起きられるようになってもそれは二つの重要な体内時計のうち一つが調整できただけであり、もう一つの「体温時計」もそれにあわさなければ完全に適応が済んだとは言えない。体温が低い時に睡眠をとると短時間でも快眠でき、逆に体温が高い時にねると長時間睡眠が必要になる。実際、異国の地で寝覚めの時差適応が済んだ後でも、夜中に寝汗をかいたりして体調の異変を感じることがあるものである。やはり、現地には少し早目に着く手はずにするのが安全策である。それとともに、当然ながら日中は適度に体を動かして体温を上げるのが有効だろう。筆者の個人的経験からいってサウナと水泳は特に効果があるような気がするが、これはもちろん個人の嗜好による差が大である。

白熱灯と蛍光灯

 さらに、光テクノロジーで体温時計の調整を促進する技もある。


「奈良女子大の登倉尋実(57・生活環境学部環境生理学教授)によると、眠りの質は、「起きているときにどんな光を浴びて過ごすかにかかっている」。寝ている夜間の体温は、起きている昼間より下がるのがヒトの生体リズムだが、「就寝中の体温が低いほど熟睡感があり、目覚めも気持ちが良い」という。

体温と光には、どんな関係があるのか。登倉は積水ハウス総合住宅研究所の森田健(44)らと一連の実験を行った。女子大生たちを、昼間5000ルクス(野外の薄曇りか晴れの日の窓際の明るさ)と、50ルクス(ビジネスホテルの部屋の昼間の照明の明るさ)の光を浴びるパターンに分けて体温の変動を調べた。

すると、午前4時ごろの最低体温に、前者は36.4度、後者は36.8度と明らかな差がつき、脳波を見ても前者に深い眠りが長かった。主観的な実感でも前者の方が「気持ちよく眠れた」という結果だった。

夜間は逆だ。就寝前の5時間に浴びる光量が少ないほど体温が下がり、熟睡感が大きかった。

光の波長も体温の上下に影響することが分かった。蛍光灯より白熱灯に多く含まれる赤色の波長の光を浴びるほど、就寝中に体温が下がり、よく眠れるのだ。」

(『未来史閲覧【健康・生活】編』扶桑社文庫・産経新聞【未来史閲覧】取材班 69〜70ページ)


「寝室には白熱灯を」という建築業界の常識にも、ちゃんと生理学的な根拠があったのである。赤い光を浴びると体温が下がるのは、日暮れとともに床に就いた太古の生活の名残だろうか?



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